噂のカジノ法案が衆議院で可決され、6日にも通過するようですね。
1年以内に法整備が予定されているとのことで・・・やはりギャンブル漫画好きとしては夢が広がるというもの。福本作品がさらに再評価される切っ掛けにも繋がりそうです。
ギャンブル依存症などの問題が指摘されているようですが・・・それはパチンコを取り締まらない限り詭弁だと思うな。
公営の分、よほどカジノの方が健全。むしろカジノにパチンコを置こう。1玉4000円くらいでね。
それでは今月のアカギ感想です。
(6回戦オーラスに至るまでの簡単な流れ↓)
http://ameblo.jp/fake-or-bluff/theme-10093607504.html
南家・アカギ65800点 血液-2300cc (実質-1800cc)
北家・鷲巣104800点 血液-1900cc 失った資金・6億円
6回戦・南4局
ドラ表示牌 ※ |
赤木(南)
配 |
引 |
捨 |
現
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安岡(西)
配 |
引 |
捨 |
現 |
鷲巣(北) ※現在切り番
配 |
引 |
捨 |
現 |
鈴木(東)
配 |
引 |
捨 |
現 |
※PC向けの表示なので、スマホ等ではズレが生じます。
前回、鷲巣はをツモ。
遂に・・・遂に! 鈴木との連係による和了が確定しました。
あとは鳴きを進めるだけとなりましたが、その時・・・鷲巣は、赤木が死ぬという事実に絶望を覚えたのでした。
とはいえ・・・人の死とは、この世で数多に起こっている自然の摂理。
ゆえに、鷲巣は人の死について同情したことも無ければ、過度の反応を示したこともありません。
しかし、それは・・・確かに見えていても、決して手は届かない水面に浮かぶ月。死を傍観する側の捉え方にすぎません。
現実の「死」とは、一度限りの特別なもの。
つまり、己が一部を失う事・・・!
今、死が決されたのはアカギ。
鷲巣が同類と認め、神域にある人物として敬意すら覚えている男、赤木しげるです。
アカギは、もはや鷲巣にとって他人と区切ることのできぬ存在。
その存在が失われた後、鷲巣の人生に残るのは・・・
再び官僚や企業の重役たちに囲まれ、心の煙った崇拝を受けるだけ。
現在の滾る闘志や情熱は、富で満たされるものではありません。
繰り返されるであろう不毛で空虚な日常・・・そこに鷲巣巌としての人生は残されているのでしょうか。
わしが死ぬことだ!
二人は共に比類なき覚悟と矜持を持ち、神をも恐れぬ傍若無人の狂気を持つ者。
同じ魂を持つ、いわば同じ穴のムジナです。
二つの命は真逆の道を辿り、境遇も面容も変わり果てました。しかし、帰属する本質は同一。
なぜなら鷲巣の体内に存在するのは、「鷲巣」という意識。
そして鷲巣の外側にある「鷲巣」は、アカギなのです。
なんという運命だ・・・
わしは・・・
つまり和了・・・その結果の勝利とは、今の鷲巣にとって実質的な自殺行為。
いっそ潔く和了を放棄しようと、和了らずに切りを考えた鷲巣ですが・・・
いや・・・それは出来ん!
それは・・・冒涜だ!
イコール自分の冒涜でもあるという事でしょう。
勝利も敗北も死、進んでも退いても死。
今回は鷲巣が悟った価値観の描写に終始したので・・私自身の感想は少なめで終わります。
根拠などあるわけがない思考なので、批判も同意も野暮・・・というよりは無意味。
議論しても仕方ない内容なので、そういうものとして受け取るしかないな。
しかし、今回が全くの無意味とは思わない。
前回アカギの死に絶望したことは、明らかにその後の引きの為に必要な精神推移でした。
今回は、その絶望を受け入れた上でアカギを殺すため、勝利へ向かう決意を固めました。これは前回同様に、きっちりと決意に至る心理描写が必要です。
確かに展開は遅い。遅すぎる。
無駄な比喩も多い。多すぎる。
コマも以上に大きい。大きすぎる。
進んだ時間は5秒程度。短すぎる。
ただ・・・いわばそれだけ。
ここ最近の展開そのものは悪くない。と思っています。
ありきたりな意見ですが・・・鷲巣麻雀も地獄さえ除けば、展開自体は文句なく見事ですよ。これは間違いない。
輸血や資金枯渇狙いの伏線も上手いですし、鷲巣の運の盛衰も突発的なものではなく、直前の局からの流れをきちんと汲んでいるものが殆ど。
ルールが特殊で相手が剛運キャラの鷲巣だからこそ、闘牌の細部を理詰めにしなければ荒唐無稽なだけの麻雀になってしまいますからね・・・。本当に緻密です。
その最たる点としては・・・事前に順位勝ち発言があって、このオーラスを上手いことに39000点差で迎えている事。
普通の漫画であれば・・・途中の局の描写を飛ばして帳尻を合わせたり、イカサマや運・流れで押し切るところ。しかし、鷲巣麻雀編は仲井編までとは違いイカサマ不使用。
そして・・・特に5回戦以降は1ツモ1ツモを丁寧に描写し、切る理由・残す理由、それを採血リスクとの兼ね合いも取りつつ、闘牌にバリエーションを持たせながら決して不自然や矛盾の起こらないように描いています。
それも必ず、アカギと鷲巣の天才性が表れるような和了でなければいけません。
これだけの制約がありながら、雁字搦めとならずに決着の筋道が見えていることは・・・偉業と言っていいと思う。
ファンの方にとっては今更のことですが、本当に凄い漫画です。もちろん。
多くの魅力がありながら・・・展開が遅いという一点だけで、ここまで作品が霞んでしまっているのが惜しすぎる。
確かにこのレベルまで来ると擁護できませんし、酷い。非難されて当然です。
しかし・・・一度魅せられた者として、クオリティ向上を諦められるわけがない。それが99%、いや100%不可能だとわかっていたとしても。本当に歯痒い。叫びたい気分。
ただ・・・このやるせなさの解消法が、「何も言わずに見守る」「自分が好きならそれでいい」といったように引き延ばしを意図的に無視したり、無理に肯定したり、あるいは皮肉やネタに落とし込むことで感情をごまかすことしかない・・・というのが辛い。
恐らく・・・それを無意識下のうちに行っているので、純粋に読むことができない。前述した今回を本当に無意味とは思わなかったのか、必要な心理描写だと本当に思っているのか・・・これも無意識のうちに本心を捻じ曲げているのかもしれない。
極論、もし決着が訪れたとしても、心から喜べる自信がない。ホッとする自信もない。
何も思わない、何も感じない・・・そうなってしまうのではないか、これが一番怖い。
毎回こうして感想を残しているのも、半ば義務とすることで興味の持続を強いて、無感情となることを無意識的に防いでいるのではないか・・・。
ちょっとヤバイテンションになってる・・・もう寝ます。
不快な長文となってすみませんでした。次回に期待
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33巻のタイトルは「妖異の闘牌」です。