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Channel: ツェーイーメン ~福本漫画感想日記~
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賭博堕天録カイジ 24億脱出編・第306話『披露』感想 ~マーブル越しに立つ死神~

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前回、カイジは保険証も無事に受け取り、全ての用事が済みました。
 
しかし、退出間際で捕まったのは・・・
5年ぶりの帰省としては至極もっともな要求。
 
仮装を外したカイジの顔が見たい・・・ただそれだけではありますが、カイジとしてはジャンキーの証拠が露呈する一大事。
 
とはいえ黙して拒否するのも無理がありますから、早く済ませるしかない。
親と正面から相対するのはこっぱずかしいとして、顔見せは3秒で勘弁して欲しいと頼みました。

この幼少期のカイジはあまり面影が無いな。まだ顔が丸くて短髪だからですかね。
 
ともかく、一瞬であれば詮索もされずに誤魔化しきれると判断。
3秒を念押ししてカツラを脱ぎ捨てると・・・

何とかバレずに押し切りました。
一番見られてはならないのは怪我では説明のつかない傷がある耳ですから、そこは厳重にガードする態勢でしたね。
 
とはいえお母さんとしては至近距離過ぎたため、上手く確認できず。
不満を漏らしますが、約束した以上は仕方が無い。
 
そもそも親子関係を良好に保つなら、過度に干渉しないことが大切。
母親のかける期待や理想、願望といったものは往々にして裏切られるもの。
息子が裏で隠れて何をしているのか、真実の姿は詮索しない方がお互いの為です。
 
人の抱える心配事は、その9割は問題であると意識せずに過ごしていれば自然と雲散霧消するもの。
逆に言えば必死に考えた所で解決するのは全体の1割。知らぬが幸いなのです・・・。
 
カイジは言葉を繋ぎ、何とか顔見せの話題を終わらせに掛かりますが・・・その姿は必死すぎて逆に露骨。
 
痺れを切らしたお母さんは、唐突にカイジの左耳を引っ張りました・・・!(;゚Д゚)
 
耳あった~っ! ついてた~っ!
「へたしたら今ので取れてたわ!」って・・・!(;''∀'')
サラッと流してますがとんでもない発言だなw
ブラックジョークとも言い難いし怖いなぁ・・・
 
すぐに引っ張る手を払い除けたので助かりましたが、じっくり見たり触られていれば繋ぎ目に気付かれていたでしょうね・・・危ないところだった。
 
妙な疑いも晴れたところで、カイジは再び眼鏡を掛けて玄関先へ。
ん・・・帰りも同じ割烹着のおばさん仮装なのか。

ただでさえ大柄なのに、夜間だけで出入りするおばさんは相当目立ちそうだけど。

 

確かに・・・そのおばさんが何週間経過しても出てこないとなれば不自然ではありますが、その場合でもある程度の時間稼ぎにはなる。
どちらが安全かは分かりませんが、警戒が解かれている内にさっさと逃げたいという事かもしれません。
 
カイジは、そっと棚の上に100万円の入った封筒を載せました。
あまり一度に額が多すぎても余計な心配をかけますし、必ずまた戻ってくるという決意の表れでもあります。
 
小声で別れの挨拶をしながら振り返ると・・・
なぜかお母さんは床にマーブルチョコを並べていました(・・?
 
マーブルチョコはカイジの好物。幼少期の頃はこうして並べておくと、順に食べながらお母さんのところまで来てくれたのです。
久しぶり、かつ束の間の再会。本人を目の前にすると、忘れかけていた色々な記憶が甦るのでしょうね。
 
とはいえ、今のカイジが付き合うはずもなく・・・
もちろん、カイジも親不孝であることは分かっている。
マーブルの件も本当は無碍にしたくはない、去りたくないのが実情だからこその涙。
 
しかしカイジはまだ道半ば。ここを出た瞬間から、切り替えて断ち切ることが必要です。
心置きなく親子団欒の日々を過ごす為にも、今は目の前のミッションをこなすしかありません。
 
カイジは決意を新たにしますが・・・その時、4階から降りてくる足音が接近。
時刻は21時、住人にせよ来客にせよ、鉢合わせは避けたいところ。
 
取りあえずドアスコープを覗いてみると・・・!
思わず腰を抜かすカイジ・・・!(;゚Д゚)
 
お母さんはマーブル効果だと喜びますが、もはや小ネタの回収をしている場合ではありません。
 
ドアの向こうには・・・
あろうことか、この男が立っていました!
何でよ・・・!?(;´Д`)
 
少しでも退出が早ければ、つまりマーブルチョコの件が無ければバッタリでしたね・・・危なすぎる。
お母さんがまたもカイジを救いましたが、これで手詰まり。
まさに袋のネズミと化してしまいました。
 
一体何を手掛かりに駆け付けたのか・・・という答えは次回に回されますが、遠藤の嗅覚は流石と言えますね。
ただ、この絶望感を煽る演出的にも完全に敵対関係となってしまったのが辛いな( ノД`)
 
また遠藤といえば、289話で「遠藤浩次」と名前が誤植されていましたが、今回は無事に修正されていますね。何よりです。
 
・週刊ヤングマガジン№8(2019/02/04号)より。

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