前回、遠藤はカイジ確保への最後の詰めを施しました。
運命の突入まで、あとは向かい側のベランダから人が消えるのを待つのみ。
すると、洗濯物を干していた最後の主婦が部屋へ戻りました・・!
そして遠藤たちが昇降口に入るまで、その姿を見られなければ・・・突入は無かったも同じこと。
遠藤ら4人はクルマを飛び出すと、ものの5秒でマンション内に侵入。
その姿は、見渡す限りの誰にも目撃されることはありませんでした。
4人は踊り場では屈みながら急ぐと・・・落とすべき城、籠城のカイジが潜んでいるであろう部屋へ到着。
部下は迅速にピッキングを開始しますが、団地ですから特別な錠でもありません。手練れに掛かればほぼ無音で攻略できる代物です。
ただ、問題はその先。
開錠後にチェーンロックが掛かっていた場合は、携えた強力なペンチでぶった斬る他にありません。
その作業は無音では不可能ですね。
それにカイジが気付けば・・・ひと騒動に発展し、近隣住民からの通報に繋がりかねません。
しかし、遠藤はその可能性は薄いと読んでいました。
この部屋に訪ねて来るのは帝愛だけとは限りません。
もし母親が戻ってきた場合、
問題だ!
一人暮らしにおいて、帰宅のノックは不要。
これまでの8日間で一度も行っていないのですから、母親の癖という可能性も否定されます。
あるいはセールスマンなどの来客のノックを母親と誤認して開けてしまったなら、会話を拾われた時点でアウトとのこと。
・・・それは開ける前にドアスコープで確認するでしょうから有り得ないと思いますが、ともかくチェーンロックによって起こり得るアクシデントはカイジも想像したはず。
恐らくは部屋のどこかで石のように不動を貫いているだけ。
遠藤がその姿を想像していると・・・ピッキングが完了しました。
ゆっくりとドアノブを回し・・・いざ、
