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Channel: ツェーイーメン ~福本漫画感想日記~
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賭博堕天録カイジ 24億脱出編・第319話『巣立』感想 ~息子の傷跡~

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※カイジ年表

https://ameblo.jp/fake-or-bluff/entry-12458560986.html

 

 
前回まで、カイジは保険証を受け取り、無事に実家から脱出。
お母さんと高橋親子の活躍もあり、見事に遠藤の魔の手から逃れました。
 
そして現在、カイジは鼻歌まじりに公道を疾走中。
最大の虎口を脱したことで、解放感からくる歓喜が抑えられない様です。

今回の逃走における一つのヤマ場を越えたと言えますから、浮付くのも仕方ない。
 
ただ、何しろカイジは無免許ですから現在違法運転中。
目立って良いことは何もありませんね。
 
途中、パトカーと白バイにすれ違ったことで、カイジも態度を改めます。禍福は糾える縄の如し・・・順風が継続しないことを悟りました。
 
気持ちを鎮めるため、一度コンビニの駐車場で深呼吸。
しばしの休憩を終えると、やがて保と約束したスーパーのバイク置き場に到着しました。
 
座席内にヘルメットを収納し、施錠。
あとは後程、保から借りたカバンとキーを郵送して返すだけです。
 
これで一連の作戦におけるカイジの役目は終了。
 
これよりチャンマリの元へと合流し、いよいよそれぞれの大金を通帳に収める事となります。
あるいは連絡を取ってチャンマリの方からキャンピングカーで迎えに来ても良いので、この移動はノーリスクでしょう。
 

 

なお、停めたバイクはこれから保がスペアキーで回収する手筈。
現在自宅にいるため、朝に外出したはずの保が再び昇降口から現れる事となりますが、その点は問題なし。
 
なぜなら、保は通勤時と帰宅時ともにフルフェイスを被ったまま部屋まで行く習慣。
見張りはそもそも保の顔を知らないため、その姿を見てもフルフェイスの男と結びつけることが出来ないのです。
 
逆に言えばここへ来ての新顔ですから純粋な警戒を受ける可能性はありますが、既に遠藤は厳戒態勢を解除済み。
通常の二人制に戻っているため、見張る側としても山は越えた感覚を持っています。
 
ですから、マークするとしても謎のおばさんだけ。
例の居住者リストをいちいち確認するはずも無く、一見してカイジとは無関係な保が現れたところで気に留める者はいないでしょうね。
 
つまり、見張りが保を見逃した瞬間に計画は完結。
帝愛にとっては、真実を掴むチャンスを永遠に失う事になります。
 
保としては何も気負うことはなく、淡々とスーパーへ行って帰ってくるだけの事。
見張りが謎の覚醒を起こしていない限りはまず果たせると思いますが・・・
 
その結果は明かされぬまま、夜を迎えました。

実家では、何故かお母さんがカイジが置いていったカツラを装着(;'∀')
そして昨夜の出来事を回顧していました。
 
二人で向かいの高橋家へ赴いた際、
カイジは協力を仰ぐために保とその両親に事情を説明。
ストーカー?
企業のストーカー化?
 
一体全体何が何やらw
どこをざっくり伝えたらそうなるのか(^^;
 
ただ、兎にも角にも異常事態を呑み込んで頂けたならそれで十分。
というより、ややこしい事情を歪曲した上で尤もらしく成立させたカイジが凄いわ。
 
そうか・・・実家帰省直後に展開された、これまでのギャンブル三昧の日々をお母さんに説明するため、全てをオブラートに包んで脚色したエピソードが良いチュートリアルとなっていたのか。
 
一度経験していなければ急にスラスラとは展開できませんし、言い淀んだなら途端に信憑性を失ってしまいます。
当時は丸々茶番に近いエピソードと思っていましたが、一応の必然性があった訳ですね。
 
 
そして翌朝、いよいよ作戦決行となりました。
 
しかし・・・お母さんはここで大変なものを目撃していたのです。
それは、カイジがおばさん風のカツラを脱ぎ、フルフェイスを被るまでの一瞬の事でした。
うあっ・・・見られてたの・・・!?(;´Д`)
 
明らかに堅気ではないジャンキーの証拠。
その傷跡が露見してしまったのです。
 
カイジは気を抜いていたのか、頬の絆創膏が剥がれた事にすら気付いていなかった様子。
 
お母さんは面食らうあまり、言葉を失いますが・・・
何も知らないカイジは、お母さんを軽く抱きしめるとすぐに出発しました。
そして経緯を尋ねる隙すら与えないまま、部屋を後にして行きました・・・(◎_◎;)
 
 
そして夜が更けた現在、お母さんはカイジが残した封筒を手に取っていました。
詰まっていたのは100万円の札束と、怪しいお金ではないと書かれたメモ。
 
しかし・・・傷を見てしまったのです。
それもカツラや絆創膏を付けてまで隠していた以上、単なる怪我ではない事も明らか。
 
いずれにせよ、この100万円が曰く付きであることは間違いない。
 
一体如何なる事情があったのか・・・当然ながらお母さんは心配で堪らないようですが、結論は出ません。
 
代わりに過るのは、カイジが最後に語った言葉。
「体第一 達者で暮らせよ」
うう・・・親不孝者、ここに極まれり・・・( ノД`)
 
金を残したところで御身を大事にしなければ・・・母親が喜ぶはずもない。
最悪な事この上ない別れ方となってしまったな・・・。
 
例えば鷲巣も「恐怖の始まりは認識から」と語っていましたが、世の中は知らない方が幸せな事で溢れているのかもしれません。
 
実家編の幕引きがまさかこのような形とは、一度は回避していただけに予想できなかった。
もちろん内容そのものを好意的には捉えられませんが、カイジという作品らしい悲哀の漂う落差であり、余韻の残るジャンキー描写だと思います。
 
トネガワや黒沢テイストの画作りや台詞回しが展開されるような外し展開よりは遥かに望ましく、相応しい。
舞台が切り替わるエピソードの区切りとしても中々のインパクトがあったと思います。
 
次回からはいよいよ新展開でしょうか。
あるいは前回のコメントにてアサシスーパークライさんが仰っているように、ぼちぼち和也の近況も気になるところ。
 
映画化の発表によって原作への注目度も増している事でしょうから、さらに物語の推進力が増すエピソードへ突入すると嬉しいですね。
・週刊ヤングマガジン№26(2019/05/27)

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