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Channel: ツェーイーメン ~福本漫画感想日記~
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中間管理録トネガワ 第51話『春風』感想 ~桜舞い散る異常気象~

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昨日、賞味期限切れのトネガワUFOを食して腹を壊しました・・・
最後の1個を惜しんでなかなか消費できず、大事に保管しすぎたのが原因ですね。
 
これから真夏ですし、食の管理には気を付けたいところ。
会長に制裁された気分を味わいました・・・(;^_^A
 
 
それでは先月分のトネガワ感想です。
 
この日・・・会長は接待麻雀でチューレンを和了り、債務者には焼き土下座を強いるなどまさにやりたい放題。

 

「良いこと」の連続にすっかり気を良くしたようで、周囲への対応も一変しました。

 

 
側近の黒服たちには高級料理が振る舞われたり、
不敬を働いて幽閉されていた元幹部が解放されたり・・・
普段では考えられない報労の連続!
 
 
・・・あら、ここまでの流れはハンチョウの第20話(ミキサー回)の冒頭と全く同じですね(°д°;)
 

ハンチョウで描かれたのは地下への影響だけでしたから、

今回は騒動の表側を描いたエピソードのようです。

 

スピンオフ同士がリンクするのは面白いですね(・∀・)

 

 

利根川にも理外の高級車が贈られると、直接の労いの言葉とともに早めの帰宅が許可されました・・・!

 

利根川は困惑しつつも、促されるまま新車を発進。

 

その後もふとした時に肩のクズを取ってくれたり、

チームにKFCのチキンバーレルやコールスローを差し入れてくれたり、

黒崎にも毛皮のガウンコートが贈られたり・・・

会長らしからぬ報労は帝愛中に広がりました。

 

 

会長はいつ何時でも自分中心ですから、たとえ上機嫌でもここまで気遣いがあるのは逆に不気味ですね(;'∀')

 

このありえぬ変貌ぶりには、一時的ではない可能性すら過ります。

ごもっともで。

 

事実、風呂上がりは上機嫌の場合が多い会長ですが、一晩眠ってしまえばいつもの態度に逆戻り。

今は一時的に台風の目に入っているだけで、一歩外れれば不機嫌の豪雨が待ち構えているのです。

 

会長に付いていた経験のある山崎の見立てでは、持ってあと2,3日が限度。

週明けには所により激しい雷雨を伴うのが間違いないとの事でした( ゚∀゚; )

 

果たして予報は的中するのか・・・

チーム全員が心構えを整える中、その週末がやってきました。

 

いつもの第3会議室に入ってきたのは・・・

激怒の表情を浮かべる会長!(@Д@;

風邪引いとったんだってな・・・!
 
・・・え?( °д°)
 
利根川は戸惑いながらも完治したことを告げますが、会長は額に手をやり微熱を確認。
すぐさま布団を運び入れさせました。
なんじゃこの・・・
乾燥した部屋は・・・!
 
今度はハンチョウ第9話の「大槻ロール」ネタですが・・・それどころじゃないね。
会長は自ら加湿器を準備すると、そのまま洗い物を始めました(O_O)
 
 
口調は一見して雷雨ですが、その実は純粋に利根川を心配しているだけ。
これは本当に兵藤なのか・・・まさやんじゃないよね?w
 
利根川も山崎も、こんな会長を見るのは初めて。
予報は大幅に外れ、まだ台風の目の中にいるようですが・・・
あるいは、そもそも台風など無かったのかもしれません。
 
山崎の予感が示すように、それから一か月が経過しても会長の機嫌は穏やかなまま。
くれぐれも安全運転・・・じゃぞ?
 
えぇ・・・誰なんだこの好々爺は・・・。
読んでいて調子が狂いますが、利根川としてはひと月以上この状態ですからすっかり慣れた様子
 
会長の快晴ぶりに促されるように・・・車内には一枚の花びらが舞い入りました。
それは心地よい風に乗った春の知らせ。
 
まさに帝愛の新時代を告げているようでした・・・
・・・あ。( ;゚─゚)
 
 
この小石に躓いたことがきっかけ。
儚く舞い散る花びらのように・・・全ての僥倖は終焉を迎えます。
 
側近の黒服は制裁を受けることが増え、
解放されたはずの元幹部は再び幽閉、
そして、
やはり会長の機嫌は山の天気より激しかった・・・。
 
しかし見せしめとはいえ何も鉄球でぶっ潰す必要はないでしょ・・・(υ´Д`)
同じ頃、地下ではミキサーが没収されたわけですが、地上での被害はその比ではありませんでしたね。
 
結局、消滅したかに見えた台風は長い潜伏期間を経てUターン。
以前にも増した勢力となって利根川の元へ戻ってきてしまいました・・・。
 
しかしこの理不尽、この横暴があってこそ、一大ブラック企業の帝愛を統べるに相応しい。
トップがバイタリティを失ってしまえば、企業の発展もそこまで。
 
善人への変化は朗報ですが、帝愛の未来を考えれば会長の悪魔性は必須ではないでしょうか。
 
利根川としては神経をすり減らす毎日が戻ってきますが、
今後もその苦悩や煩悶、奮闘ぶりを応援したいですね。
 

中間管理録トネガワ 第52話『安息』感想 ~ファントム・メナス~

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利根川を蝕む 幻想の脅威・・・

それは一つの僥倖から始まりました。

 

この日、都内を移動中の利根川は、ふと翌週のスケジュールを確認していました。

すると会長が1週間丸々ハワイという一方、利根川は・・・

 

バカなっ・・・!

空いとるだと・・・!?

これほどまとまった連休が訪れるのは、利根川にとって実に十数年ぶりのこと。
何かの間違いだろうと何度も確認しますが、7連休は紛れない事実でした。
 
普段は20連勤すら珍しくない激務を続けていますから、つい疑ってしまうのも仕方ないですね。
 
予定にない緊急会議が入る可能性はありますが、どうやらチームの黒服たちも余裕があるとのこと。
わざわざ手を借りるまでも無いと、利根川の休暇を気遣いました。
オーロラが見たかった・・・!
死ぬまでに一度は・・・!
 
オーロラですか・・・
確かに、誰もが一度は生の鑑賞を憧れますね。
 
思えば・・・心と時間にゆとりを持った旅行は久しく経験していないな。

詰め込んだ名所巡りも良いのですが、イベントをピンポイントに絞ったゆるい海外旅行こそ、その土地の空気を味わえるという意味では醍醐味かもしれません。

 

 

利根川は早速調べてみると、まるで日程を連休に合わせたかのようなドンピシャのツアーパックがありました・・・!
 
もはやこれは・・・オーロラを観ろという天からの導きか。
 
しかしアイスランドへの道のりは、まさに悪魔的トランジットと圧倒的飛行時間。
一度到着してしまえば、会長からの呼び出しには対応できません。
 
会長ならハワイでも構わずに無理を通そうとするでしょうから、オーロラを観にアイスランドにいるから・・・という断りは怒りを招きそうですね。
 
安全に北海道あたりへ切り換えようとしますが、夢のオーロラを観るには今回はまたとないチャンス。
あるかどうかも分からない呼び出しを恐れて、国内で妥協していいのか・・・これは悩ましいですね。
 
 
煩悶の末に、利根川が出した答えは・・・

やはり色々な可能性を考えた時、アイスランドは冒険すぎます。

それなら中途半端な欲を出さずに関東圏で収めるのが正解と考えたようですね。

 

心はゴム毬・・・いつか反動が来そうですが、利根川は地下の住人とは違う。

当初の予定からは大幅に下方修正されましたが、近場なりの休暇を楽しみたいところですね。

 

日光の自然、華厳の滝のマイナスイオン・・・
 
日頃の仕事を忘れるには十分な環境ですが、なぜか利根川は何度もスマホを確認して落ち着きがありません。

ファントムバイブレーションシンドローム・・・!

 

これは実在する錯覚現状ですが、主に心的ストレスが原因とのこと。

 

すれ違う老人もことごとく会長に見えてしまうようで、旅館の温泉にすらスマホを持ち込む始末。

超多忙ゆえの職業病が休息の足を引っ張ります・・・(;´Д`)

 

もはや生き甲斐などという次元ではなく、人生そのものが仕事に染まってしまっているね・・・。

眠ろうと思えば思うほど眼が冴えてしまうように、忘れようとすればするほど仕事が気になって仕方ない状態かな。

 

ここは細かいことは気にせず、美味しい夕食を食べて早く寝てしまうのが一番でしょう。

それは紛れもない山崎からの着信。
 
ハワイ行きの自家用機に同乗していた所、会長がピーナッツが用意されていなかったことに大激怒。
日本へのUターンを強行させてしまったのです・・・!
 
いやナッツリターン事件て・・・w
また懐かしいネタですけどギャグにしていいのか(^_^;)
 
 
山崎はなるべく迷惑を掛けたくなかったようですが、電話先からは会長に制裁を受ける声まで聞こえています。上司として、見過ごすわけにはいかないな。
 
結局、利根川は酒には口を付けぬまま旅館を飛び出しました。
再びUターン・・・!
ハワイに向かっております!
 
安定の大迷惑。
前回もしかり、会長の機嫌はジェットコースターにも程があるな・・・(´Д`;)
 
このとき既に新幹線は栃木を出て、利根川が気付いた時にはまさに利根川の上。
まさに利根川on利根川状態でした・・・!(;・`ω・´)
 
小ネタ中の小ネタはともかく、これから再び日光へ戻るか・・・あるいは宇都宮の餃子で夕食を食べ直すか・・・
それとも・・・何か過る直感があったのか・・・?
 
 
一方・・・翌朝の帝愛本社では佐衛門たちが追い込まれていました。
 
何と、会長がUターンした後のハワイはまさかの長雨。
またも会長の機嫌が急降下し、前にも増した速度で日本に向かっていたことが判明したのです。
 
山崎としては今度こそ利根川の貴重な休みを邪魔したくありませんが、やはりチームの黒服だけで会長の相手をするのは不可能。
 
しかし準備も含めれば、今から連絡しても間に合うかは微妙かもしれません。
さすがの佐衛門も狼狽を隠せませんが・・・その時!
 
やはり正解だったようだな・・・
この颯爽とした出で立ちよ・・・何という安心感だ。
治の代打ちに入った瞬間のアカギに匹敵するぞ。
 
一筋縄では事態が収束しないことを、その経験から察したのでしょうか。
利根川は日光でお土産のラスクだけを買い、朝一に間に合うように帰京していたのです(゜д゜;)
 
面食らうメンバーに会長の好物の料理と適当な債務者を手配させると、さっそく余興の準備にかかりました。
 
その瞬時に的確な統率をとる姿には、昨日の暇を持て余した優柔不断だった面影はありません。
 
その性質はまるで、静止しながら息が出来ないマグロやカツオなどの回遊魚。
 
とどのつまり・・・
どこまでも利根川は帝愛に生きる者。
灰と化すことになる運命のあの日まで・・・前進をし続けたことでしょう。
 
 
今回はさほど露骨なギャグに走らず、綺麗に締まりましたね。
 
正直なところ・・・
アプリ移籍後のエピソードはややクオリティが落ち気味に思われましたが、今回は中間管理職の苦悩に焦点を当てつつ、初心に帰ったようなネタで面白かったです。

 

というよりも、どこか一つの区切りを思わせる余韻すら感じたな・・・。
 
これはもしかすると・・・来週スタートのアニメは2クールで26話構成が考えられますから、1話当たり原作2話消費とすればちょうど今回が最終回に当たります。
 
ラストページが銀と金最終回のパロディということもありますし、
アニメ最終回用に一旦の区切りを意識しての構成だったのかもしれません。
 
 

もちろん、現在も非常に高いレベルの作品であることは踏まえつつですが、最近はやや個々のキャラクターや展開の起伏に極端化が見られていたように思います。

今後も今回のようにインパクトは残しつつ、あくまで趣旨は利根川本人の悲哀や哀愁を描いているエピソードが増えていくと嬉しいな・・・。

 

 

 

(500回更新)賭博堕天録カイジ 24億脱出編・第286話『徒労』感想 ~それぞれの猪突盲信~

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※AbemaTVで開催されたリアルカイジGPが終了、優勝者の方は獲得した1億円でカンボジアに畑を作るそうです。
 
私も応募した35000人の一人なので情報は追っていましたが、結局番組を視聴することはありませんでした。
というのも・・・決勝はEカードで争われたようですが、それまではひと昔、ふた昔前の低予算バラエティのような種目ばかり。
例えば顔と実名を晒した状態でにらめっこをするのは・・・ちょっとね。

 

私は一億円欲しさよりもカイジ要素を体験することが目的でしたから、期待していただけにガッカリの内容でした。

 

昨年末のTBSバラエティにも言えることですが、
正直なところカイジの名を冠して欲しくなかった。
原作ファンほど不満の残るような企画だったことが残念です。
 
 
 
以下、今週のカイジ感想。
 
前回・・・カイジは隣人に目撃され、明日には廃屋から退去すると約束したことを明かしました。
 
ただ、前回コメントでちんさんより頂いた予想では、
その際にカイジたちが近隣で発生している痴漢の犯人と思い込まれた可能性があります。
チャンが通報された情報を知り、痴漢防止のカエルポスターを思い出して帰還する・・・という展開かもしれませんね。
 

 

そのチャンは、臼木の名を誤解したまま住宅巡り中。
 
しかしそんな不毛な迷走が実を結ぶはずもなく・・・。

気が付けば空は明るくなり、新たな朝を迎えました。

 

これでチャンが遠征に出てから4日目。

 

コインロッカーの使用期限を完全に過ぎたため、二人はチャンの帰還を諦めざるを得ません。

約束通り、ビジネスホテルへ移り住む準備に取り掛かりました。

 

カイジはマリオを留守番に残すと、コンビニで新聞、デパートでナイロン製のカバンを購入したようです。

 

 

大金を目立たせずに運び入れるための妙案は、前日の夜に二人で確認済みでした。

 

その際、カイジはまず17億円を段ボール箱からカバンに詰め替えてコインロッカーへ預けると説明しましたが・・・マリオは猛反対。

 

確かに、使用期限の3日以内に預け直し続ければ、実質的に無限ループが可能です。

しかし・・・カイジが免許を取るまでの2週間は決して短い期間ではありません。

 

延長を繰り返す姿を怪しまれたり、何かしらの事件に巻き込まれて点検が入ってしまえばそれまで。

もちろん薄い可能性ですが、不測の事態が起こらないとも限りませんね。

オレも

11億っていうオレの金と

離れ離れなんて真っ平ごめん!

 

つまりカイジの思惑は別。

コインロッカーを使うのは一時的であり、ホテルの部屋で保管するまでの繋ぎに過ぎないようです。

 

とはいえ、ホテルに大きなカバンを次々に持ち込んでは不審感丸出しですが・・・

その全てをコインロッカーに預け、まずは互いに一つだけを手にしてチェックイン。
部屋で金を出し、代わりに丸めた新聞紙を詰めてカモフラージュします。
 
次にそのままホテルを出ると、詰めた新聞紙を捨てて再びコインロッカーへ。
そこで新たな金の入ったカバンを取り出し、空のカバンは折りたたんでその隙間に入れます。
 
これで、行きと帰りでカバンの数と大きさは一緒になりました。
ホテルの従業員としても、普通に外出して帰ってきたとしか見えないことでしょう。
あとは、また金を出して新聞を詰めて、このサイクルを繰り返せばいいだけ。
気が付けば17億円は部屋の中という寸法です・・・。
 
 

・・・うーん・・・とても最善とは思えない(;´Д`)

同じカバンを12,3個買い込む時点で目立つだろうし、続けて6回も7回もロビーを出入りするのも怪しいでしょ。

それを防ぐために時間を空けて数日に分けるとなれば、ただでさえ悠長な免許取得がさらに遅れることになります。

 

というかそもそも、長期滞在でも部屋に清掃は入りますよね。

清掃不要の札を掛けるにしても、2週間も続けてはさすがに怪しまれるでしょう。

よくそんな安心しきった表情をできるね・・・。
 
傍に置いておきたいというマリオの気持ちは分かりますけど、コインロッカー延長作戦の方が絶対に安全だと思うな・・・。
 
いや・・・それより坂崎を頼れば全て解決じゃないのか。
回りくどい事は何もなく、さっさと車に乗せてもらって高飛びしたらいい。
これ以上巻き込みたくないから、などと綺麗事を言える状況ではないでしょ。
 
先延ばしの選択ばかりで勝手に追い込まれて・・・もはや3人全員の行動がほとんど理解できない。逃走を放棄したようにすら見えるよ。
 

毎回同じような愚痴になってしまいそうなので切り上げますが、

先述の隣人やカエルポスターの伏線がリンクしたなら、現在の散らかった流れも整理されて脱出編は収束へ向かうはず。

 

今はちょうど展開の谷間にも思えますし、耐え時なのかな。
とりあえず、一週ごとに一喜一憂するのは控えた方が良さそうですね。

 

 
※余談
今回で、このブログはちょうど500回目の更新となりました。
普段より閲覧、コメント等ありがとうございます(^∇^)
今後もマイペースに継続します。

 

ちなみに約5年3か月かけての500回更新ですから、平均すると週に1.8回程度。
日常ネタの徒然ブログではないとはいえ、これはだいぶスローペースですね。
 

多忙というよりは怠惰によって1か月近く放置してしまった事もありますが、それでも完全に投げ出すことがなかったのは…その度に福本作品の魅力に呼び起こされたから。

 

その偉大な福本先生は、今日も面前で大三元和了。

もう全部twitterや。またまたまたまた役満やし。

 

昔…アシスタントの方々は福本先生を兵藤会長や鷲巣に喩えていましたが、本当に剛運を持ち主ですよね。

数十分の一でも分けてほしいな…。

 

アニメ・中間管理録トネガワ 第1話『始動』感想

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遂に始まりましたね…!
事前のPVはシンプルなナレーションベースだったので、仕上がりは全くの未知数。
期待感が膨らむ中での第1話でした。
 
新潟では映らないので、半日遅れで配信される日テレのアプリで視聴。

 

私は原作至上主義なので、あまり逐一レビューするかは分かりませんが、今回は記念すべき第1話。
簡単にですが、アニオリ部分を中心に大まかな流れを載せます。
 
 
冒頭は、アニメカイジの映像を用いたあらすじ紹介。
そもそもカイジにおける利根川というキャラクターを知らなければ、スピンオフという趣旨が理解できません。
当然初見の方も多いですから、この辺りの配慮は当然ですね。
 
 
そして、前半パートは丸々アニメのオリジナル展開。
帝愛の黒服たちが、次々に債務者への取り立てを行います。
 
これから始まる本編はゆるい葛藤の物語ですから、
先に表の顔である、高圧でブラックな面を見せればギャップを生みますね。
ちなみにこの二人・・・
破戒録最終話に登場した、優しいおじさんとそのコンビの黒服でしょうか?
心優しい二人も、帝愛に選ばれた黒服。
取り立てでは厳しい一面を見せていますね・・・(⌒-⌒; )
買い物依存症やギャンブル中毒など、様々な事情の債務者をひれ伏させていく黒服ですが・・・
 
中には、その法外な暴利や取り立てに目を付け、警察への訴えをチラつかせることで踏み倒そうとする者もいました。
高を括ったような舐めた態度に、黒服は苦虫を嚙み潰したように手こずっていましたが・・・
 
そこに近付く足音・・・
利根川登場!

必要なのは金だ・・・!

言葉ではない・・・!

 

そのただならぬ凄みとオーラに押され、屁理屈をこねていた債務者はあっさり屈服。

あえなく家屋や車が差し押さえとなりました。

 

全てを失い、憐れを乞うように支払いの延長を願い出ますが・・・

利根川は一蹴。

 

気持ちなど・・・
札一枚の重みすらない・・・
 
さらに、世間が自分を認めなかったせいだと責任転嫁する姿には、
 
クズめっ・・・!
世間は自分の母親だとでも思っとるのか・・・!
 
痺れるぜ・・・!
金言を残してクールに立ち去る・・・
かと思いきや、

きっちりメモ・・・!
これがエスポワールの演説の元ネタとなったのですね。
 
自ら発した言葉からも、常に何かを学び高める男。
それが、利根川幸雄なのです。
 
 
黒服の通常業務と利根川の格の違い。
帝愛の基本情報が詰まったプロローグでした。
 
 
森川さんの利根川に慣れることが出来るのか不安でしたが、予想以上の渋カッコよさ。
白竜さんに劣らない威厳と重厚さが感じられ、全く違和感がありませんね。
この前半パートだけですんなり受け入れることが出来ました( ̄ー☆
 
むしろ白竜さんよりも抑揚の付け方が上手ですから、ギャグシーンの多いトネガワには適しているように思います。
声優変更は大博打ですが、見事に成功しましたね。
 
 
ここで一旦、小ネタとして
帝愛のCMが流れましたが・・・
まさかの武富士ネタ登場!w
つい先月連載されたばかりのネタですが、さっそく一話で使われるのか(^▽^;)
先月の私がそうでしたが、元ネタが分からない方は面食らったことでしょうね。
 
そして・・・ある日の利根川が会長に呼び出しを食らい、後半パートは原作の第一話の内容が展開されました。
久々の会長、津嘉山さんの声を聴くと安心しますね。
長セリフでも緊張感を失わず、JPOPネタ部分はキャラを保ちながら笑いを誘う・・・間違いのない好演でした。
 
後半パートは既読の内容ですから新たに語る事はありませんが、
(↓当時の感想) 文章もノリも今とは違うな・・・(^_^;)
やはりネタを知っていても、佐衛門三郎二朗の衝撃は笑えますね≧(´▽`)≦
止めの山崎川崎間違いについては原作以上に印象に残りました。
 
ちなみにラストの黒服が集まってボウリングに行こうとするシーンはアニメオリジナルですが、恐らく出番の少ない長田にセリフを与えるための配慮でしょう。
 
同じチームの一員なのにほとんど出番がない・・・
そんな疎外感を声優の方が覚えては申し訳ありませんから、
同じように原作で出番が少ない萩尾、菊地、川崎、荻野あたりも新たな活躍の場が描かれそうですね。
 
 
また、ゲスの極み乙女。によるOP曲もスタイリッシュで好印象。
 
歌詞も利根川を意識していますし、
「天才とは違う 努力の賜物です」のフレーズが印象的です。
渋い利根川のカットが続くかと思いきや・・・
 
謎のアイドルグループ的なチーム利根川ショットや・・・
謎の木根崎の大物感、
会長に紛れるまさやんなど、
ネタ要素も満載でしたね(⌒▽⌒)
 
竹原ピストルさんによるEDも、まさに利根川の大人の哀愁を思わせる仕上がり。
EDらしい静かなアニメーションにもに合っていたと思います。

 
 
これで第一話は終了、
ストーリーは素晴らしかったと思います。
 
その上で・・・以下は個人的な意見です。
 
 
私がこの第1話を観る前、
朝にTwitterを覗いたところ…
連なっていたのは、川平さんのナレーションへの批評でした。(;´Д`)
 
 
私も以前の更新で、
個人的な一番の注目ポイントは、ナレーションの川平慈英さんがトネガワの世界観にどのように効いてくるのか。
それほど声優、ナレーションを務めている印象がないので、想像が付かないだけに楽しみです。
 
と書き残しましたが・・・不安が当たってしまったようです。
 
予め批判されている事実を知ってしまったうえで視聴したので、以下はフラットな意見ではないかもしれませんが・・・
 
確かに、問題とされているのも分かります。
 
 
たとえばジブリの風立ちぬは、主人公が青年にもかかわらず、
声優を担当したのは50を越えた庵野さんでした。
私は第一声での違和感が抜けず、ほとんど内容が頭に入らないまま映画館を後にしました・・・。
 
そう・・・内容が入ってこないのです。
カイジの立木さんもインパクトがありましたが、それはあくまで素の状態で本気で声を張り、ナレーションに徹した結果。
 
あくまで本気でアフレコしている声優さんとは別のベクトルですから、最高の添え物として演技の邪魔をすることはありませんでした。
 
しかし、川平さんは本気でナレーションするでもなく、川平さんの演技をしてしまってる。
同じ演技同士ですから、干渉してしまうのも当然。
 
それも目立ち過ぎないよう抑えた演技ですから、同じ土俵で100%を出しているアフレコ声優の方と比較すると、どうしても出来栄えが劣っているように受け取ってしまいます。
 
つまり川平さんの特徴を発揮するつもりが、むしろ殺している。
どっちつかずの狙いで良いものが出来るはずがありません。
 
 
まず冒頭から違和感がありましたね。
あらすじの映像はカイジの流用ですから全てシリアスシーンですが、独特のタメや抑揚のある川平調では軽く感じられてしまい、真剣勝負の歴史を語るには適していません。
 
 
そもそもトネガワの魅力とは、
カイジ本編とまったく同じ画、セリフ回し、雰囲気や空気感にも関わらずシュールな笑いが展開されることにあります。
 
つまり、登場人物は基本的に真面目。
利根川も良かれと思った行動が裏目に出ているだけで、誰もふざけてはいない訳です。
 
唯一その掻き乱すポジションとして会長、その影武者まさやんがいるので、ナレーションから全面にギャグ感を狙う必要はありません。
むしろ、緊張と緩和というギャグの基本を削ぐことになります。
 
 
もちろん・・・川平さんは普段から常にあのテンションではありません。
淡々と語る演技もできる方ですし、部分的にはそのシーンもありました。
 
つまり川平さんではなく、川平調のイントネーションが問題。
それがトネガワの作風にマッチすると制作陣が判断したことが問題ですね。
 
まだ第1話ですから、演技指導の方もまだ手探り状態なのでしょう。
 
川平さんも初めてのアニメのアフレコに相当緊張されていたようですから、数をこなして上達されるのは間違いありません。
 
たとえば立木さんもカイジの序盤は、今見ると物足りないほど淡々としていました。
あるいはドラマアカギで仰木を演じた田中さんも、序盤でのアフレコは酷い棒読みでしたが、完結編に入った頃には文句の出ようがないクオリティにまで上達されていました。
 
これから半年続く長丁場ですし、巷の批判的な意見も現場に届くことでしょう。
試行錯誤しながら、少しずつ改善されることを期待します。
 
 
 
そしてもう一つ、設定として気になったのは、
紹介の中で利根川を「帝愛グループNo.2に上り詰めた男」と言い切っていたこと。
 
本来なら利根川は、あくまでNo.2の「最有力候補」という立場です。
 
なぜなら破戒録冒頭で黒崎がNo.2の座を掴みましたが、そのとき遠藤は「あそこに利根川先生がいてもおかしくなかった」と話しています。
つまり地位を引き継いだという訳ではありませんから、利根川はそれまでもNo.2ではなかったわけです。
 
トネガワの原作内でも、「最高幹部の一人」と紹介されているだけ。
途中加入した八乙女がNo.2に近いのでは…と噂されるエピソードもありましたから、スピンオフ内でもその設定は守られていました。
 
細かいツッコミではありますが、他でもない今作の主人公の設定ですから・・・間違えてほしくなかった。
あるいはアニメ内では№2の設定で進むのかもしれませんが、八乙女のキャストが公開されている以上、そのエピソードが描かれるのはほぼ確定。
矛盾しそうで心配・・・。
 
あとは「ざわ」の声がやや軽いこと、
やや一つ一つのセリフ間が間延びしていることは気になりますが・・・演出をくどくしてはさらにテンポが失われて元も子もありません。

 

尺の都合上仕方がない部分でもありますから、これは先述の長田のセリフのような追加要素で埋めるしかないでしょうね。
 
マッドハウスの現場にはカイジ・アカギを完璧なクオリティで仕上げ切った、実力の確かなスタッフが揃っています。
現状でも作画や声優の演技など、良いところは沢山あります。
今回浮き彫りになった演出上の違和感も、些細な配慮で大きく改善されることでしょう。
 
あとは強力な原作を信じきる、それだけだと思います。
 
とにかく、まだ物語は始まったばかり。
無事に良作として完走できるように応援します(*^▽^*)

中国版実写カイジ&賭博堕天録カイジ 24億脱出編・第287話『鶴首』感想 ~嗚咽の抱擁~

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感想の前に・・・こちらの情報から。
 
実は現在、中国でカイジブームが訪れています。
 
というのも、なんと6/27に実写版映画が公開。
堂々の初登場1位を獲得してしまったのです∑(゚Д゚)
 
企画はもちろん福本先生公認。
ここ最近の福本作品映像化の波が、遂に海を越えてしまった。
一体どこまで規模が拡大し続けるのか・・・予想もできませんね。

 

日本での公開予定は立っていない為、さほど情報は入ってきませんが・・・
どうやら既に続編の制作が決定したほどの大ヒット作となっています。
 

あらすじ

友人に騙され、数百万元の借金を背負った男が「命運号」という名の豪華客船に乗り、イチかバチかの命がけのゲームに挑む。

 

主演はリン・イーフォンさん。
イケメンすぎやしないか!?w
ちなみに役名は鄭開司。
 
頬に傷がありますし、他のポスターには古畑と安藤らしき人物も。

 

さらに、利根川役にはなんとハリウッドスター
マイケル・ダグラス!
ちなみにタイトル
「動物世界」の動物は、ろくでなしという意味を持ちます。
ろくでなし世界、なるほど・・・カイジにピッタリですね。
 
おいおい何だよこのクオリティは・・・
日本版より遥かに忠実かつ豪華じゃないか・・・!
 

 

と、思われましたが、
予告編がこちら。

 

なぁにこれぇ!?(@Д@;
ポスターの忠実さはどこへ行ったw
 
カイジという概念を全て破壊し、
中国映画らしいスタイリッシュ&カオスに再構築。
 
ちなみにピエロや怪物、カーチェイスなどは、全てカイジの妄想。
原作の比喩描写をかなり誇張して映像化することで、スケールの大きいダイナミックな作品に仕上げています!
 
ぶっちゃけ唖然としましたが・・・
中途半端は良くないですから、ここまで突き抜けていると清々しい。
スピーディーな画作りですし、純粋に一本の映画作品として面白そう。
 
中国での評判は上々らしいので、新解釈も成功しているものと思われます。
カイジの新たな可能性に興味が湧きました。
 
予告だけではストーリーが全く把握できませんから、いずれレンタル等あれば是非観てみたいな。
 
 
 
以下、今週のカイジ感想です。
 
前回、チャンの帰還を諦めたカイジとマリオは、ホテルに宿泊するための準備を開始。
コインロッカーを経由して、現金を少しずつ輸送する作戦に手ごたえを掴んだようです。
 
ただ、免許取得には2週間は必要。
前回、私はその間ハウスキーパーを一度も入れないのは無理があるのでは・・・
書き残しましたが、それはマリオも疑問に思っていたようです。
 
しかし、昨日のカイジの案では、金の置き場はユニットバスの中。
そしてハウスキーパーを部屋に入れるのは、マリオがシャワーを浴びる時に限定します。
 
交換の歯ブラシやタオルなども、ベッドに置くように声を掛ければ踏み入られることもありません。

なるほどね・・・。
 
なお毎回シャワー中というのは不自然ですが、
それは週一でコインロッカーにカバンを戻し、浴室内も見せることで解決する手筈となりました。
 
安定の回りくどさ全開ですね(^_^;)
ハウスキーパーの目的がシャンプーなどの替えであればカーテンも開けられてしまいそうですが、もはや細かい点についてツッコんでいてはキリが無いか。
 
 

マリオは取り分の安全が保障されて一安心したようですが・・・

やはり過るのはチャンの安否。

 

共に出稼ぎの身として艱難辛苦を共有してきましたが、この廃屋を出れば二度と再会することはないでしょう。

必死に帰還を祈りますが・・・時間は虚しく過ぎるだけ。

 

気付けばすでに夜9時。
なぜか昼前に出たはずのカイジすら戻って来ません。
 
まさか一人で取り残されたのか・・・
不安が襲いますが、押し潰される寸前でカイジが帰還。
 
どうやら同じカバンを12個集めるのに手間取り、在庫を問い合わせたり、店を回っているうちに日が暮れてしまったようです。
 
さっそく金を詰め替え、カイジはタクシーを拾いに向かおうとしますが・・・
マリオはもう一晩チャンの帰りを待つように呼び止めました。
 
しかし、今日はカイジが隣人に約束した退去のリミット。
娘さんがスルーしたとしても、話題に出された家族が通報するかもしれません。
10分20分の躊躇が命取りになりかねない状況です。
 
マリオは渋々諦めましたが・・・
その時でした!

こんな夜遅く
男共が潜んでいる廃屋に
隣家だけで来るわけがない・・・
 
つまり・・・来るとすれば警察付きですが、このタイミングでの職質は最悪。
床には大金が詰まったカバンが散乱しています・・・!(;´Д`)
 
今すぐ隠そうにも、もはや足音はすぐそこ。
2人は膠着して動けません・・・!
まさか・・・こんな呆気ない形で勝ち金没収・・・!?
 
半ば観念した二人ですが、
眩しさの先に見たものは・・・
 
え・・・・・
 
チャ━━━(゚o゚〃)━━━ン!!!

 

ギリギリすぎるわ・・・遅ぇよお前ぇぇえ!(iДi)
やっと・・・やっと会えた。
約束を過ぎても、二人は待っていてくれた。
見捨てかけた瞬間、戻ってきてくれた。
互いにその苦悩・葛藤は推し量れます。
 
しかし危なかった・・・
あと1時間遅ければ、二人は廃屋を後にしていたはず。
 
カバンが一店で揃わなかったことも含めて、今回ばかりはカイジの悠長な計画が功を奏しましたね。
 
考察することは特にありませんが、
過程はどうあれ、無事に3人が再会できた。

そして万が一の免許取得編が回避された。それだけで100点。

 

果たしてチャンはどのような方法を用いて帰還できたのか・・・
それは次回で明かされることでしょう。

 

迂回され続けていた展開がようやく帰結した感がありますし、いよいよ脱出編も終盤ですね。

次回も楽しみ。

 

・週刊ヤングマガジン№32(2018/07/23号)より。

中間管理録トネガワ 第53話『特急』感想 ~クズどもを運ぶdeath train~

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今回はアニメ放映を記念して、コミックDAYSに加えてヤンマガにも出張掲載されています。
 
 
この日…深夜の晴海には、またまたあの船が停泊していました。
 
これで三度目の限定ジャンケン回。
カイジ本編で描かれたのがまさに第三回開催の模様でしたね。
 
トネガワが時代考証を放棄しているのは今さら言及することではありませんが、
則っていると見ればカイジ本編の貴重な舞台裏ということになります。
 
 
利根川は帝愛本社で準備していましたが…
車は前々回で会長によって大破されています(-o-;)
 
先乗りする山崎が直前で迎えに上がることを提案しましたが、なんと利根川は電車で向かうとして拒否。
 
実は二月に一度は利用し、世間との感覚が離れないよう心掛けているようです。
 
たとえば昔、麻生さんが首相時代にカップ麺を400円と言って世間とのずれが話題になったことがありますね。
本職に関係無い知識とはいえ、印象は下げては損です。
 
ただでさえサービス業ですし、利根川も部下を束ねる立場。間に壁を作らないよう務めるのは大切ですね。
 
 取りつかれたようにスマホをいじる者、
ヘッドホンの音漏れを悪びれずにいる者、
あるいは立ちながら眠るサラリーマン、
 
格下たちのリアルな日常は、相も変わらず負のオーラが立ち込めていました。
利根川はその様を鼻で笑っていましたが…
 
その空間の一片に異物を発見…!
 あの男の目…!
どこかで…
 
えええ!まさかの再登場…!(@Д@;
 
利根川が記憶を辿っていると、その背後に声を掛ける者がいました。
 遠藤さんも久々の登場!
 
渡辺くんと言えば遠藤登場回でしたからね。
この二人はセットか。
 
しかし渡辺くんは変わってないね…w
非常識をさも当然とする妙な余裕と大物感、クズを突き抜けた化け物っぷり。
 
乗客たちも淀んだ空気を醸していましたが、やはり次元が違います。
 
とはいえ焦げ付いた借金には渡辺くんもお手上げ。首が回らなくなり、この度エスポワール行きが決定しました。
 
遠藤は船への引率者として同乗していたわけです。
 
それも、一人の為ではありません。
この車両はエスポワールを目指す多重債務者で溢れていました…!
 まーたお前らか…!w
 
この車両だけで、借金総額はなんと7000万越え!
いわば絶望が集うデストレイン。
クズを乗せた地獄行き特急と化していました。
 
この四人は22話(旧20話)でリハーサルを経験していますが、一応リピーターという扱いになるのかな?
そこから来る自信なのか、それとも素の性格なのか…恐らく後者なのでしょう。
渡辺ほどではないにしろ、いずれもマナーに反した嫌がらせを仕掛けていました。
 
人の善意を不意にしている川上と陰湿な山口は許せませんけど、まあ…満員ではないので木村は大目に見てもいいかな。
中根の占領については無理がありますから、帽子を渡して勝手に座ればいい。
 
…正直なところ常識の欠落した輩には関わらないのが一番だと思いますが、ここの乗客は血の気の多い、あるいは正義感が強いようで。
そこかしこで言い争いのトラブルに発展!
 
遂には電車が停止され、車掌も駆けつける大事となってしまいました。
 
中でも、やはり悪質度の高いと思われた山口と川上はくせ者。
客の権利、年齢の上下、ずれた詭弁を並べて全く反省の色が見えません。
強気に出られない車掌とは平行線をたどります…
 
なるほど、予想を超えたクズだな。
 
批難されても顔色ひとつ変えない渡辺の方が、まだ幾分マシか。さすがクズの領域から突き抜けた男。
 
利根川も見るに堪えませんが、巻き込まれては最悪。
静観するものの、このままではエスポワールの出港に間に合いません。
 
仕方なく遠藤に助けを求めると…
 
Fuck you
・・・え。(°д°;)
 
お前たちは皆・・・
大きく見誤っている・・・
遠藤が繰り出したのは、
利根川がこの後エスポワールでぶつ予定のお説教・・・!
 
それはカイジ史、いや漫画史に残る名演説。
喋る人が変われど、必然的に効果は抜群でした・・・!
 
車内は水を打ったように静まり、川上は抗議を中止。
 
心を動かされた木村は背負っていたリュックを前掛け、
中根は帽子を自分側に寄せ、山口も迷惑とならない足の角度に変更。
そこは組むこと自体を止めてほしいですが、山口はクズレベルが高いので仕方ないか。
圧倒的効果・・・!
 
いや渡辺はまだダメでしょ( ゚∀゚; )
3席取りが2席になっただけじゃんw
 
それで改めた気になっている辺り、やはり大物。
しかし僅かとはいえ渡辺の心を動かすのは至難の業ですから、利根川スピーチ恐るべし・・・
 
無事に電車は動き出した訳ですが・・・
何を話せばいいんだ・・!
ワシはこの後船で・・・!
 
ですよね・・・!(^▽^;)
この緊急事態を鎮圧したので怒る訳にもいかないですし・・・これは苦しいというか歯痒い・・・w
遠藤はしてやったりで媚を売ったつもりなのが憎いね(^_^;)
 
原作準拠であれば、結局利根川は同じ内容を話したことになりますが、まあ103人中の5名程度ですから気にする必要もないよね。
 
そもそも毎回同じ台本なのであれば、リピーターは確実に同じ演説を食らっているわけです。今さら神経質になっても仕方ない。
 

まさか限定ジャンケン当日の移動中のエピソードが来るとは予想できませんでしたが、準レギュラーたちの活躍、遠藤の有難迷惑、利根川の煩悶オチ。

トネガワらしい魅力が詰まった完璧な構成でしたね(⌒▽⌒)

 

中間管理録トネガワ 第54話『死闘』感想 ~イントロデュース・ザ・ギャンブラー~

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感想の前に、アニメ第2話について・・・
 
正直、ポジティブな感想は出てきませんでした。
 
とはいえ純粋に楽しまれている方もいらっしゃいますから、批判的意見を載せるのは今回が最後。次週からは沈黙します。

 

 

 

ナレーション云々については、指導側が川平調を望む限り、変化が見られないのは当然。
しかし、今回はそれを差し置いてテンポの悪さが目に余りました。
 
さらに過剰な挙動や字幕演出といった、極端なギャグへの傾倒、緩急のない力んだ演技、シュールの欠片もない高いテンション・・・
良い部分を探そうとするほどに、問題点が浮き彫りになる。
 
唯一トネガワらしさを実感できたのは、津嘉山さんの会長が喋っている間だけでした。
 
ここまで悉くツボを外すというのは、慣れで改善できる範疇を超えていると思います。
根本的なセンスや価値観を変えるには、もはや人を変えるほかにない。
 
しかしキャストもスタッフも交代は難しいですから、
私としては、監督補佐に留まっている佐藤雄三さんを監督・総括・構成のいずれかに内部昇格してほしい。
 
現実問題としてはそれも厳しいでしょうが、
とにかく福本作品を理解した方が指揮を執れば、それだけで全ての問題が解決するはず。
少なくとも利根川にアイディーアなんて言わせないでしょう。
 
一流の素材と調理器具が揃っているだけに、非常にガッカリ。
残り22話、もちろん応援しますし最後まで付き合いますが・・・期待感は薄れてしまいました。
 
 
結論としては・・・
原作を読みましょう、ということです。
 
以下、54話感想です。
 
 
チーム利根川の功績もあり、この年の帝愛ファイナンスは絶好調!
理外の業績アップを遂げました。
 
結構なことですけど、帝愛が好調というのは・・・むしろ景気的には問題なのでは( ゚∀゚; )
融資が活性化しているという意味であれば良いのですが。
 
それに伴い、例年に比べて雇用人数も大幅に増加。
各部署には多量の人員が投入されることになりました・・・!
いや思ったより多いな!(◎-◎;)
数えたら33人て。もう一クラス分じゃねえか!w
 
というか拡張版って椅子増やしただけでしょw
部屋自体はいつもと変わらない。
 
右 前列手前から山崎 佐衛門 堂下 中田
左 前列手前から川崎 権田 西口 海老谷
がいるので、新メンバーは25人か。
 
…あれ、荻野と東さんの姿が見えないな
萩尾 長田 菊地は左遷、八乙女は昇進、津久井は蒸発しましたが、東さんは津久井の代役として正規メンバーに加わったはず。
荻野がいないのはさらに謎ですが・・・あるいは見切れてるだけか…?
 
 
ともかく大補強は有難いことですが、
言わずもがな…利根川にとっては再びの試練が始まりました。
 
つくかっ・・・!区別っ・・・!
 
新体制始動の前に、黒服たちの自己紹介。
まさにトネガワの原点ですね。
宮崎長崎大崎高崎、言葉遊びもいいとこw
 
しかし今回は第1話のパロディ路線ですから、中途半端になぞっては単なる二番煎じ。
山崎川崎ネタから、思い切り誇張してきましたね。
 
タイミングとしてもアニメ第1話と同時更新でしたから、リンクさせる狙いもあったのでしょう。
 
限定ジャンケンや鉄骨ネタを消化し、
チームや利根川の成長も一通り描かれた上でのセルフパロディですから、物語が二周目に入ったような感覚。
何だか感慨深いな・・・
 
しかしこの二人は似てるね~( ̄▽ ̄)
髪型を揃えたらパッと見では判別つかないよ。
 
山崎も混乱を危惧しますが、意外にもあっさり通過。
 
なぜなら利根川が着目していたのは、鼻や骨格以上にサングラスのブランドでした。
宮崎のレイパンに対し、大崎はオリバーピープルズ。
 
あら・・・サングラスは帝愛からの支給だったはずですが、個々によって変わるのですね。

 

第1話での苦い経験を生かして、特徴の押さえ方を対策していたようです。
 
しかし、帝愛は今年も楽をさせてはくれません・・・
14文字てw
その名字で順三郎と名付けるかね(^^;
 
私も本名は9文字なので長い方ですけど…比較にならないな。
 
名前をマークシートで塗りつぶすタイプの記入欄ではかなり手間取るでしょうし、些細な苦労は重ねてきたことでしょうね。
 
しかし、長い苗字も佐衛門三郎で経験済み。
利根川は全く苦にしません。
 
その後も
山田正太、山田太一、山田正一、
まるで三つ子と錯覚するほどに酷似した3人が現れますが・・・
まあ一クラスに4,5人同じ苗字がいるのは珍しくもない話ですね。
 
当初の利根川であれば匙を投げてぶち切れていたことでしょうが、今は決して慌てません。

 

別室で6人を話し合わせ、後で特徴や個性、見分け方を発表するように指示しました・・・!
 
その迅速かつ的確な対応は、一見して余裕そうに見えます。
しかし・・・内心はとどのつまり必死。
溢れそうなコップの水に、一枚ずつコインを入れている状態でした。
 
それでも利根川は堪え続けます。
なぜ利根川の元には珍名が集結するの!?(;^∀^)
 
ちなみに左衛門三郎が実在するように、
東御建田は大阪と鹿児島に約10名、
文殊四郎は福井に約10名、
熊埜御堂は大分を中心に約560名実在しているそうです。
 
それでいて文殊四郎三郎は完全に佐衛門三郎二朗の亜種ですよね(^^;
一つずつ数字が増えただけじゃん・・・w
 
そして、水の張ったコップに顔の刻まれたコインを投入していく…
これはもしかしてジョジョ3部のダービー戦ネタかな?
黒服たちの魂を守るためにも、慎重に記憶しなければ・・・。
 
しかし、10人を過ぎた所でそれも限界に近づきます。
まだ半分も越えていませんが、利根川は見るからに憔悴しきっていました。
 
さすがに一度で全員を覚えるのは無理があったか。
山崎や中田は日を改めることを勧めますが・・・
 
その時!
このタイミングで山田六人衆が帰還!(@Д@;
 
さっそく山田(正太)は盲腸炎の経験がある、と説明を始めましたが、山崎は慌てて制止。
しかし・・・パンク寸前に思えた利根川の心はまだ折れていませんでした。
 
なぜなら確かに限界とはいえ、この6人が消化済みか否かでは天と地の差。
次回への負担を軽減するためにも山田チームまでは覚えきると宣言しました・・・!
投入っ・・・!
6枚一気に・・・!
 
ぐ・・・これはさすがに暴挙か・・・?
踏ん張れ、海馬の表面張力よ・・・
 
その結果、
おおお!!!∑(゚Д゚)
 
さすが利根川。
今回の胸突き八丁、難関の山田6人衆を乗り越えました・・・!
 
まだ9人程度残っていますが、初日でこの山を制覇したのは大きい。
部下たちの前で意地を見せましたね。
 
山崎は疲労困憊を労わり、
ひと息入れるためにお茶を差し出しました・・・
 
が、
 
・・・・・・・
ん・・・・?
山崎が忘れられたああぁぁ!?(  ゚ ▽ ゚ ;)
嘘でしょ!?w
 
出張やら面接やら、あれだけ行動を共にしたのに。
忘れにしても酷いよ(~∀~||;)
 
しかしチーム発足直後にも覚えたと言いながら川崎と間違えたことがありますし、利根川の中では記憶に定着しづらい名前なのか・・・?
山崎は不遇としか言いようがないな。
 
そして今回の新メンバーは一様にゴルフが趣味でしたが、結局そのことには突っ込みませんでしたね(^_^;)
 
ボウリング部とゴルフ部の兼務顧問となった利根川、その煩悶はさらに増すことでしょう。

 
私としても黒服ファンなので、増員は大歓迎。
しかも細かいプロフィールや設定が大好きなので、今回も満足でした。
 
とはいえ…新メンバーも癖が強そうですし、さすがにこの人数では収集が付かないな。
初期メンバーが蔑ろになるのも寂しいですから、何かの拍子に元の人数に戻る気がします。
 
 
DAYS移籍直後にはやや失速が見えましたが、ここ最近はまた盛り返していますね。
ハンチョウが休止していた影響か、あるいはアニメ化への気合の表れか。今回はオチまでキレッキレですし、勢いが完全に戻った。
萩原さんのイマジネーション能力には恐怖すら覚えます。
 
新シーズンに突入した感もありますし、ここからチーム利根川はどこへ向かうのか。次回も楽しみです(^∇^)

賭博堕天録カイジ 24億脱出編・第288話『再会』289話『捜索』感想 ~牙を剥くかつての同志~

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お久しぶりですm(_ _ )m
御託は不要なので、さっそく前々回感想から。
 
 
カイジとマリオが廃屋から出ようという間際、チャンが奇跡的に帰還。
3人は涙ながらに再会の喜びを分かち合いました。
 
そして、チャンは大幅に遅れた訳を告白。
住所メモを紛失したことで、白木ほか類似の苗字をしらみ潰しに回っていた事を明かしました。
 
そして待たせていたタクシーへ料金を払いに戻ると・・・

夜を徹して協力して頂いただけでも有難いのに、さらに身なりを察して値引きするとは・・・。

 

30万円は今の3人には痛くも痒くもない金額ですが、運転手のおじさんにとって10万円の利益差は大きい。

損得に拘らない厚意・・・誰もが出来ることではありません。

人柄が表れていますね。

 

正規の30万円を支払うと、運転手のおじさんはいい稼ぎになったと笑顔で走り去って行きました。

 

 

思えば・・・広島のおじさんもチャンの不法投棄を知りつつ見逃しました。

騙し騙されが多いカイジですが、やはり世の中は善人によって成り立っているのですね。
 

 
一晩を共にしたタクシーを見送ったチャンは、傍にあった表札を確認。
それが白木ではなく臼木と知り愕然としますが、それでも辿り着けたのは・・・
やはり「あれ」のおかげでした。
当時(↓273話)は鼻で笑ったポスターですが・・・まさに恩人、いや恩ガエル。間の抜けたイラストが、今は神々しく見えるよ。

ちなみにポスター内の中原市表記が大田市へ変わっていますね。

 

チャンがコインロッカーを利用した駅名についても「新中原駅」から「志野駅」へ変更されましたし、

284話(↓)に登場した地図でも中原市は消えていました。

何の不都合があったのかは分かりませんが、中原市の存在を消して大田市へ統一したい意図が見えますね。
 
ただ、新中原駅については既に単行本で修正されることなく描かれています。
単行本は作品の完成版ですから、筋としては中原市表記に統一すべき。なぜ大田市に統一する方へ舵を切っているのか・・・今ひとつ編集部の意図が分からないな。
 
 
ともかく、3人は金を取りに廃屋へ戻りますが・・・
その時・・・!

怖!w 夜中にこれはビビるわ。
 
カイジを目撃した娘さんが、家族に相談したのでしょう。
揃って様子を窺っていました・・・(°д°;)
 
戦慄する3人ですが、すぐに立ち退くとして警察に連絡しないように懇願。
すると、どうやら穏便な一家らしく静かに引き下がってくれました・・・。
 
危なすぎる・・・
脱出編は本当に他人の善意に救われています。
 
これで廃屋を経由したトラック破棄は完了。
紆余曲折を経て予定から大幅に遅れはしましたが、何とか当初の目的を果たせましたね。
 
マリオは改めてタクシーを拾うと、廃屋へと案内。
3人は車内いっぱいに23億円を詰め込むと、新たな目的地へと走り出しました・・・。
とにもかくにも「基地」から離脱
脱出行
次の段階へ

 

あとはレンタカーを借りて、地方へと身を隠すだけ。
そこで現金を預金、あるいはモノや権利に変えるなどして身軽になった上で、チャンマリは帰国への準備を進めることになりますね。
 
 
逃走劇が新局面を迎えたところで、以下289話です。
 
こうして、3人が黒服のバリケードを突破してから5日目に突入。
 
右往左往しつつも、着実に前進していますが・・・
気になるのは帝愛側の動向。
 
3人の行方を見失って以降は全く描写されていませんでしたが、決して手をこまねいていた訳ではありません。
実は対応に動いていたのです。
捜索本部が創設される!
 
あら・・・本当に追っていたのか。
敵などおらず、カイジたちが一人相撲で追い込まれていただけという可能性も考えていました。
 
しかし・・・和也はカイジを許さなかったのか
命を救われたにも関わらず、恩を仇で返す形ですね。
あるいは問答無用で会長あたりが指示したのかな。
 
ところで、新設の部署ですから新たな人事が下りました。
それにはカイジを知る人材が適切。
 
よって黒崎の命によって抜擢されたのは・・・
帝愛と袂を分けたはずのこの男!
どぅえええ!?(*。◇。)
まさかの遠藤さん登場!w
これはサプライズですね・・・!
 
なぜか下の名前が間違ってますけど、
(言うまでもなく本来は勇次。↓破戒録7巻76話「旧友」より。)

編集部の怠慢については言い出せばキリがないので、激怒したいところですがスルーします。

恐らくトネガワの堂下浩次に引っ張られたのでしょう。

 

しかし福本先生は一度退場させたキャラクターを再登場させることは少ないだけに、ここで遠藤さんが来るとは全く予想できなかったな。
 
 
帝愛としては遠藤から7億の損害を受けていますが、今回はそれを大きく上回る24億円の奪還が懸かっています。
そのため背に腹は代えられず、悔恨を水に流したようです。
 
まあ帝愛側の思惑は理解できますね。
 
でも・・・正直見損なったよ、遠藤さん。
 
沼編では酷い暴利でカイジの取り分をさらったとはいえ、劣勢でもカイジを信じて金を貸したり、万が一の地下行きを受け入れてまで協力してくれた仲間じゃないですか。
 
ちょっとポストを貰って報酬が約束されただけで、簡単に身を翻して帝愛の駒になってしまうの・・・?
遠藤さんにとって、死線を越えてきたカイジとの絆はその程度の物だったの・・・?(´Д`;)
 
そんなはずない・・・認めたくないよ・・・。
 
 
しかし遠藤はやる気満々。
捜索部隊の80名を前に、今後の指針を語りだしました。
 
帝愛グループには1200名の社員がいますが、応援部隊を呼べるのは3人のおおよその居所が知れてから。
日本のどこに消えたか分からない状況ですから、一見して80名の捜索では絶望的に思えますね。
 
しかし、帝愛には「債務者」という全国に散らばった万単位の兵隊がいます。
有効活用しない手はありません。
 
そこで、彼等に3人の写真を配り、捜索を命令。
有力情報の提供者には借金の棒引きを約束することになりました。

おお・・・連中呼ばわりかよ・・・悲しい・・・。

 

そして、カイジたちの勝ち金は24億円=240kg。

当然クルマでの移動が基本となりますが、ナンバーの割れている軽トラはすぐに乗り捨てるのは確実。

 

よって、シッポを掴むには新たなクルマの入手ルートを張るのが手っ取り早いと考えたようです。

 

とはいえ盗難車は職質で一発アウトですから回避するはず。遠藤としては考慮に入れる必要がありません。

 

かといって購入するにも実印と印鑑証明書が必要。

既にカイジの住民登録がある練馬区と、チャンマリの住民登録がある豊島区の役所には黒服を張らせていました。

 

仮に代理人を立てるにしても、その為の書類が必要。窓口での会話に聞き耳を立てていれば代理人の申請だと分かります。

その者の後を追えば、とどのつまりカイジに行き着くわけです。

 

よって、カイジは購入もリスキーであると承知のはず。

恐らくは避けてくると読みました。

 

結局、残された手段は借りるのみ。

遠藤はレンタカー業界に従事している債務者に連絡を取り、情報が当たれば1000万円を出すように黒服へ指示しました。

 

そうすれば直接の言葉をかけずとも、債務者たちは躍起になってデータの入手に動くことでしょう。

クルマさえ特定されれば、情報は債務者に共有されます。
万の目が相手ですから、まさに確保は時間の問題となる事でしょう。
 
遠藤としては自画自賛の完璧な作戦でした。
 
 
しかし・・・それから4日が経過した現在、いまだにヒットは皆無。
レンタカーを借りた痕跡、あるいは目撃情報はおろか、怪しいという噂すら入ってきません。
 
この5日間、カイジたちは足踏みして行動に移せていないので当たり前なのですが、帝愛にとっては忽然と姿を消された印象。

 

つまり、カイジたちは意図せずにハマっていた迷走や停滞に救われてもいたのです( °д°)
 
 
さすがの遠藤も焦りを隠せません。
軽トラの目撃情報がない以上、既に僻地で破棄されたのは確実。
 
しかし購入とレンタカーの痕跡がないということは・・・
そのどちらでもない方法。
つまり知り合いから借りたと考えざるを得ません。
 
しかし個人間の貸し借りは足が付きませんから、帝愛としてはお手上げ。だからこそ、遠藤はハナから考慮に入れていませんでした。
 
そもそもカイジにクルマを貸す仲間など想像も付かない・・・
と、諦めかけた瞬間!
 
遠藤の脳裏にはとある人物が浮かびました。
カイジと遠藤の共通の知り合いという時点で、もうあの人しかいませんね。
 
まさか脱出編のクライマックスがカイジVS遠藤の構図に発展するとは夢にも思いませんでしたが、かつてない強敵ですね。
 
カイジを捕えようとする遠藤には失望感が甚だしいですが、目の離せない状況となりました。
290話感想に続きます。
 
 
・週刊ヤングマガジン№33(2018/07/30号)
・同№34(2018/08/06号)より。

賭博堕天録カイジ 24億脱出編・第290話『霹靂』感想 ~暴君 遠藤浩次~

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実家に帰省、そしてこちらを購入。

wkwkが止まらない・・・!(ノ゚ο゚)ノ
これでVRを除けば、PS系で発売された福本作品ソフトは全て揃いました。
そのうち昨年のPSカイジ、PS2アカギ同様にプレイ動画も上げる予定です。
 
 
それでは以下、カイジ感想です。
 
逃げるカイジと追う遠藤、二人が新たな目的地へと急ぐ中・・・
その騒動を露ほども知らない坂崎は、公園で愛犬のチロと戯れていました。

 

晴れ渡る空を見上げていると、ふとカイジの顔が浮かびます。

 

思えば、二人の出会いはまったくの偶然。

沼での死闘を乗り越えた後は、ニート生活に手を焼いたり、些細ないざこざもありました。

 

しかし、その縁は坂崎に家族との復縁と、1億800万円の大金をもたらしました。

 

今のご時世では、感謝を行動で示せる若者はそう多くありません。

そのなかでカイジは恩義に報いる男。

私利私欲に捕らわれない、確かな美徳を持った男でした。

坊主頭のカイジ(^_^;)
頬の傷が無ければ誰だか分からないw
 
カイジへの感謝が募る坂崎ですが、妻と美心が買い物に出払っているため、早めに帰宅することにしました。

 

なにしろ受け取ったのは億を超える大金ですから、あまり家を空にしたくありませんね。
 
本来なら銀行に預けたいところですが、急な億の預金を税務署に怪しまれては困ります。
あいにく貸金庫にも空きが無い状況らしく、しばらくは手元で保管する他にありません。
 
 
しかし・・・自宅の前では、遠藤がその帰りを待ち構えていました。
 
坂崎は突然の再会に唖然とするばかりですが・・・
昔の仲間でもお構いなし。
問答無用で事務所へ連行されてしまいました・・・!
 
さらっちゃえ・・・!ってか。(°д°;)
前回も然り、言動がなかなか暴力的。
これは破戒録までの遠藤というよりは、トネガワで登場する遠藤に近い。
性格だけスピンオフから逆輸入した格好かな。
 
こうして・・・帝愛に確保された坂崎は、遠藤や黒服に囲まれながら取り調べを受けることとなりました。
 
もちろん、その容疑はカイジへのクルマの手配。
マイカーやレンタカーを貸した形跡はありませんが、代理で中古車を買い与えた可能性は残されています。
 
坂崎はカイジを居候させたことは明かしましたが、数日前に叩き出した後は会っていないと主張。
翌朝に再会した事実を語れば、受け取った1億800万円は間違いなく没収されてしまうことでしょう。
 
つまりカイジへの恩義を抜きにしても、あの朝の出来事は包み隠したいところ。
なるほど・・・二人の利害関係は一致していたのですね。

 

あの時カイジは布施と話していましたが、ここに来て坂崎に義理を通したことが多大なプラスに働きました。
本当にこの脱出編は一挙手一投足が後々の展開を左右しますね。
 
坂崎は徹頭徹尾、シラを切り通す覚悟を固めました。
 
 
それならばと黒服の一人は家探しを提案しますが・・・
遠藤の見立てでは、自動車売買の契約書はカイジの手中。
証拠となるような代物は、すでに坂崎の元から離れているはずでした。
 
しかし、実際は言い逃れのできない大金が坂崎家に眠っています。
玄人発想が仇となった形ですが、遠藤には証拠がなくともクロと確信する理由がありました。
 
 
それは・・・数多の債務者と相対してきた、金貸しとしての勘。
経験の上に成り立つ嗅覚でした。
 
たとえば借金を踏み倒そうとする輩の中には、自己破産を盾とする者がいます。
しかし、それは往々にして虎の子の金を失いたくないがゆえの口実。
 
一見もっともらしい言葉を並べていても、そういったタヌキには特有の態度や挙動があるのです。
 
遠藤は誰よりもその特徴を熟知していますから、今の坂崎からも何か隠し事をしているらしい臭いを嗅ぎ取っていたようですね。
 
 
確かに・・・坂崎はカイジにクルマを買ってはいませんが、現金の受け取りについては包み隠そうとしています。
 
隠し事のあるタヌキという点では的中しているため、その気配を誤解されてしまったようです。
・・・これはややこしい事になったな(´□`。)
 
その後も坂崎は怪しい話から卒業したことを説明しますが、必死になればなるほど、その姿は遠藤が思うタヌキそのもの。
いくら否定されても確信が揺らぐことはありません。
 
しかし坂崎としても本当に身に覚えのない容疑ですから、追及は平行線を辿るばかり・・・。
 
嘘発見器!
信憑性は乏しいとはいえ、この埒の明かない状況では仕方ないか。
周りは全員敵ですから、気休めでもなんでも潔白の証拠を示したいところ。
 
坂崎は喜んで同意しますが・・・!
・・・・えええ!!!(@Д@;
 
嘘だろ・・・それ・・・
まさかの血マニ・・・!(((( ;°Д°))))
 
嘘発見器でも何でもないよ・・・ただの拷問具じゃないですか!
マジっすか遠藤さん・・・・
さすがにドン引きですよ・・・(O_O)
 
確かに他でもない帝愛からの命令ですし、遠藤は逆らった場合の処遇をよく知っています。
ですからなりふり構わず実力行使に出るのは分かりますけど・・・
 
ただ、やり口が・・・知性の欠片もない。
暴力をチラつかせて吐かせるなんて、もはや他の安いヤクザと一緒じゃないですか・・・

 

この遠藤ならカイジをエスポワールに誘うにも、手の込んだ電話の罠など使わず、直接的な暴力や拷問で強いていたでしょう。
 
 
悪徳金融でありながらガツガツせずに余裕をまとった佇まい、しかしどこか脆さも見える、それでいてモノの道理を通す人としてランクの高い男・・・
私が思っていた魅力は幻想だったのか・・・?
もう泣けてきたよ・・・
 
いっそ私の知る遠藤さんは勇次、再登場した遠藤は浩次、もう誤植を利用して別人と捉えることにしてもいいかな?
しばらくは逃避でもしないとショック過ぎて受け入れられない。
 
坂崎の身も心配ですし・・・精神的にキツい展開だな・・・。
 

 

そして坂崎を頼らずに移動しているらしいカイジたちが取った作戦とは何なのか・・・。

あるいは和也の現状、勝ちを認めない理由は会長の指図によるのか・・・まだ描かれていない裏設定も関わってきそうですね。

 

・週刊ヤングマガジン№36/37(2018/03/20・27日合併号)より。

PSソフト「闘牌伝アカギ」プレイ開始

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アメンバー限定公開記事です。

中間管理録トネガワ 第55話『博才』感想 ~雀士まさやん~

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この日の利根川は、帝愛社内で黒崎と闘牌中。
 
場は南4局、トップを走る利根川はこの局も順調にテンパイ。
二筒三筒四筒五筒六筒一萬二萬三萬五索五索六索西西 ツモ四索

 

五索切りで一筒四筒七筒の好形3面待ち。

満を持して逃げ切りのリーチを掛けますが・・・!

また負けた・・・!
 
あらー・・・放銃での決着は悔いが残るね。
しかし私が指摘する事ではありませんが、トップ目のオーラスで無理な勝負は禁物ですよね。
西家でない限りは平和が付いていたわけですから、少なくともリーチは愚策だったかも。
 
 
実は今、帝愛は空前の麻雀ブーム。
黒服間でのブームが幹部クラスにまで飛び火した結果、
利根川と黒崎の間でも週1の対決が定例化していました。
 
利根川は並の打ち手を寄せ付けない腕を持ちますが、対黒崎は1勝4敗。いわば天敵ですね。
黒崎には少牌など初心者じみたミスが多いのですが、いつも終盤で大物手を和了られて差し切られてしまうのです

 

その掴みどころのない打ち回しには、持ち前の理や観察眼が通用しません。
 
所詮はギャンブルでもない遊びとはいえ、№2の座を争うライバルに負けっ放しではプライドが許せませんね。
 
 
利根川はひとまずコンビを変更。
これまでは気の合う山崎と組んで勝負していましたが、必勝を期すには実力を重視せねばなりません。
 
かくして、チーム内の黒服による麻雀大会が開催されました・・・!
 
前回で30名以上に増員されたこともあり、新メンバーにも期待がかかるところ。
 
しかし・・・やはり頭一つ抜けていたのはこの男!

理に長けた二人は息ピッタリ。
試しに堂下・荻野ペアと対局しても、見事なコンビ打ちで寄せ付けません。
 
まさに敵なしと思えましたが・・・利根川の表情は晴れません。
なぜなら、黒崎には理が通用しない事は経験済み。
 
確かに佐衛門は優秀ですが、理に強い利根川のコピーでは意味がない。
本音としては別のアプローチを持った戦力を求めていました。
・・・ではなく、眠れずに山崎を訪ねてきたまさやんでした。
 
利根川は気にせず、佐衛門とのコンビ打ち練習を続行。
 
利根川手牌
伍萬六萬七萬二筒二筒三筒三筒四筒一索二索二索二索北 ツモ三索

 

北切りリーチを掛けたい局面ですが、対面の堂下が染め手気配。

利根川は字牌を避けて一索を落とし、手を回すのが無難と考えました。

 

しかし・・・その時、

え、トリさん・・・一索・・・!?∑(゚Д゚)

まさやんは麻雀のルールすら知りません。
単なる独り言・・・偶然の一致なのか?
 
 
しかし、さらに次局。
二萬六萬二索八索九索一筒一筒四筒七筒白發中西 ツモ北
まさか・・・このゴミ手が三色に?
 
前局の予言といい、まさやんには何か見えているのか・・・( °д°)
 
利根川も信じかけますが、オカルトに縋って勝てるなら世話ないこと。
メンタルを鍛えるためにも揺れずに打ち進めます。
 
しかし、ほどなくしてまさやんの言葉は現実に。
白 發 中、次々に三元牌を引き入れると・・・
 
気付けば手牌はほんの数巡でこの形。
七索八索九索一筒一筒七筒白白發發中中西 ツモ白

役満が強烈に臭い立ってきました・・・!

 

なぜなら三色だんご・・・その色は

悪いが佐衛門・・・
お前には今度の黒崎戦・・・
やはり降りてもらうことになるかもしれん・・・!
 
しかしそれも当然。
理外に対抗できる逸材を見つけてしまったのですから・・・。
 
こうして始まったのは、利根川による↓
次の対戦はまた1週間後ですから、時間がありません。
 
ルールを覚えながら実戦、利根川の手が空いていないときはネトマの天鳳、TVも視聴できるのは麻雀チャンネルMONDO TVだけ。
徹底して詰め込みにかかりました。
 
その間・・・まさやんの1日をグラフにすると、
麻雀漬けながらも日課の制裁練習は怠らない(;'∀')
 
しかし・・・麻雀を覚えさせるのはいいけど、
やり方がまた洗脳に近いじゃないですか・・・。
 
まさやんは機械でもペットでもなく一人の人間。
その当たり前を忘れていないだろうか。
 
半ば強制的に拉致軟禁して、さらに個性や人格を削ぎ、今度は個人的趣味のためにただ一つの目的を強いる・・・
客観的に見たときそれは何を意味するのか、どうしても倫理的な面を考えてしまう。
 
それがギャグとして流されているのも集団狂気、まるでサイコホラーを見ているかのようで素直に笑えない・・・。
正直、影武者のエピソードをネタとして割り切れなかった時点で、私がまさやん関連のネタを理解するのは難しい。
これは個人差がありそうです。
 
 
ともかく・・・麻雀生活を送ること5日、
今日も実戦では佐衛門がトップを快走していました。
 
オーラスも荻野からロン和了!
まさやんには負けないと自負していましたが・・・
 
しかし、ついに開花・・・!
理外の先見性、そのセンスに技術が伴った。
 
明日は黒崎との対戦ですからギリギリ間に合いましたね。
 
まさやんも強敵との対戦に昂ります・・・
が!
そう・・・利根川は失念していました。
まさやんにとって、黒崎はトラウマの対象であることを・・・!( ノД`)
 
※↓44話(旧40話)より。

https://ameblo.jp/fake-or-bluff/entry-12303399139.html

 

まさやんは徹底的に絞られた過去を思い出し、体の震えが止まりません・・・!

これではとても麻雀など打てるはずもなく。

こうして二度目の洗脳も報われることなく・・・
ただただ可哀想なオチとなってしまいました(;・∀・)
 
個人的にはややモヤっとする回でしたが、制作側のスタンスとしてはまさやんを持て余さず、また主役に持ってきたのは正しいですね。

 

トネガワでガチの闘牌は描けませんから、ややネタが薄くなるのも仕方ない。代わりにまさやんという強烈な切り札を投入することで補う形ですね。
 
黒崎さんの捉えどころのない万能っぷりも見られましたし、過去回の伏線を利用することで綺麗にまとまりました。
まさやんの幸福を祈りつつ、また次回を待ちます。
 
 
・コミックDAYS(2018/08/06更新号より)
・使用牌画・・・「雀のお宿」より。

賭博堕天録カイジ 24億脱出編・第291話『拷問』感想 ~救いの一報~

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今週のカイジは巻頭カラー!(という名の販促チラシ定期)

前回、カイジの足取りを掴みたい遠藤は坂崎を拉致。
何か隠している素振りから、クルマを与えた協力者と決めつけました。
 
しかし坂崎はカイジから1億800万円を受け取ったとはいえ、逃走の手助けについては潔白です。
もちろん情報など聞き出せるはずもありませんが・・・遠藤は実力行使に出ました。
 
まさかの血のマニキュアをチラつかせて脅しに出ます・・・!(´Д`;)
本当にやる気かよ・・・!?(O_O)
 
とはいえ・・・カイジが頼れる人間は坂崎しかいないことは事実。
そしていざ連行してみると明らかに何かを隠している・・・
となれば、断定するのは仕方ないのか。

 

遠藤はサディストではありませんが、この件については一任されている立場にいます。
帝愛からの命ですし、推理に自信がある以上は手段を選んではいられない。
 
 
痛い目をみる前に話すか、それとも痛い目をみてから話すか。
拷問がふりではないとアピールし、最後の脅迫に出ました。
 
しかし・・・それでも尚、
坂崎は1億800万円を受け取ったことすら吐きません・・・!
なんと凄まじい根性だ・・・。

 

普通はクルマについては知らないにせよ、ここまで絶望的な状況なら知っている情報を全て吐いて許しを請うものです。
それでなくても坂崎はカイジが執行された際の絶叫を知っていますから、血のマニキュアをトラウマになっていてもおかしくないはず。
 

人間の胆力は金銭欲によってこれほどまでに強化されるものか。

 

そういえば兵藤会長は、黙示録で「人は目先の金のためなら相当な痛みには耐えられる」と語っていましたね。
まさにその最たる例が展開されています。
 
 
本心では執行したくない遠藤が躊躇していると・・・
デスクの電話が鳴り響きます。
 
その内容は・・・何と!
 
つい2時間前に、チャンが志野市のレンタカー屋で
黒のエスティマを借りたらしいという報告でした・・・!
突如入った値千金の情報・・・!
おおよその現在地と車種が割れてしまえば、あとは人海戦術で何とでもなります。
 
遠藤は咆哮すると、手はず通り全国の債務者に伝えるように指示。
確保の目途が立ったことで安堵しますが・・・
 
坂崎は涙ながらにその姿を睨みつけます。
釈放が許されたとはいえ、理不尽な容疑をかけられた上に危うく拷問を受けるところでした。許せるはずもありません。
→帰れ!
 
一方的に疑っておいて酷い態度だな・・・( ̄^ ̄)
面子うんぬんは抜きにしても、せめて一言謝罪するのが筋だろうよ。
 
 
まあ取りあえず、坂崎が無事に生還したのでひと安心。
遠藤も手を汚さずに済んだのは何よりだね。
 
しかし入った情報が確かならカイジは窮地。
 
果たしてどこを疾走しているのか…と思われましたが、その頃3人がいたのは意外な場所でした。
 せっかく借りたばかりなのに…エスティマを乗り捨ててしまったのか。
 
チャンマリとしてもさっさと高飛びするものと思っていましたが、これはカイジの策。
 確かに…間もなく網が張られてしまえば、その追手は万を越えます。
幾ら飛ばしても、その目から逃げ切ることは不可能に近い。
 
レンタカーを借りた時点で足跡がつくのは承知の上ですから、敢えて情報を与えることでその捜索のみに目を向けさせる戦略でしょうね。
 
これで真の移動手段を手に入れるまで、一時の猶予は作れたはず。
23億円はコインロッカーに預けたままですから、行動を急ぎたいですね。
しかしまたレンタカー等を借りても、再び情報が飛ぶだけ。
いったい如何なる方法を考えているのでしょうか。
 
あるいは無警戒となった今こそ、坂崎に頼るベストタイミングかもしれません。
カイジとしても5日間あれば坂崎に事情聴取が入ることは読めますから、無実が確約されたと想定できているはず。
 
さらにレンタカーのブラフを流せば、もう坂崎を疑うものはいないでしょう。
果たしてカイジがその方法を選ぶかは分かりませんが、安全かつ確実にクルマを入手するための時と場が整ったように思います。

 

私としては以前から、逃走初日に坂崎を頼るべきだったと感想を載せていました。
しかし・・・その場合は先行逃げ切りが成功しても、今回のように帝愛から問い詰められれば証拠は露呈します。
関わった坂崎の身にも危険が及んでいたかもしれません。
 
つまり、この5日間の停滞は怪我の功名。
完全に足取りを掴ませず、さらに坂崎を守るという最善ルートが見えています。
 
結果的には全ての不運が絡み合い、奇跡的な逃走劇を生み出していたのかもしれない。
 
カイジに訪れた強運の津波は、まだ途切れていなかったのか。
その真偽は次回に明かされそうです。
 
 
・週刊ヤングマガジン№38(2018/09/03号)より。

賭博堕天録カイジ 24億脱出編・第292話『擬餌』感想 ~救世主を求めて~

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※9/1より、PS2「天 天和通りの快男児」プレイ動画を投稿します。
最終回(赤木通夜編)を9/26、赤木の命日に合わせる予定ですが・・・今後2週間は都合によりプレイできないので、進捗が厳しいかもしれない(汗)
 
 
前回・・・遠藤によって無実の罪を背負わされた坂崎ですが、拷問寸前で回避。カイジたちがレンタカーを借りた情報が入ってきました。
 
しかし、カイジは借りたばかりのエスティマをタワーパーキング内へ。
囮と話すには深い理由がありました。
 
なぜなら・・・どんな辺鄙な場所にあるレンタカー屋でも、借りた情報は必ず本社に送られます。
ただでさえ逃走開始から5日間が経過している訳ですから、帝愛がそのデータを監視しているに違いありません。
 
恐らくは先ほどエスティマを借りた情報も筒抜けとなり、帝愛からの捜索指令が全国に飛んでいるはず。
安直なレンタカー利用は命取りだと直感していました。

 

カイジの読みは、ズバリ遠藤が用いた策そのもの。
チャンが合流して浮足立ちそうなところですが、さすがに冷静。冴え渡っていますね。

この煙幕によって、帝愛が追うのは街中にあふれた別のエスティマたち。
五里霧中の徒労が行われるはずですね。
 
そして一つの目的にだけ躍起になった者たちは、視野が狭まるもの。
これからカイジが行う本当の策がスルーされやすくなります。
 
個人的に好きなロードオブザリングで例えるなら、
だいぶ規模は異なりますが、フロドが指輪を捨てに向かう間、ゴンドールの谷で激戦を繰り広げることにより、サウロンの目を滅びの山から背けさせる・・・みたいなことか。
・・・むしろ分かりづらいかな(;'∀')
 
 
マリオは大荷物を抱えての電車移動は目立ちすぎると心配しますが、カイジが考えていた移動手段はあくまでクルマ。
 
それは先ほど、3人が別行動でレンタカー屋を探していた時に発見した店でした。
 
ここだ! どうよ?
しかし・・・一般車両ではないにしろ、
キャンピングカーの購入にも印鑑証明は必要です。
 
役所には当然黒服が張り込んでいますから、危険に変わりはありませんね。
 
チャンマリは反対しますが、
このお店・・・奥の看板をよく見てみると
小さく「販売・改造・レンタル」の文字があります・・・!
 
大々的にレンタカーを推している店とは違い、ここは改造と販売が基本。恐らくレンタルは片手間的な扱いです。
 
表の看板には謳われていない事からも、

電話帳の「レンタル」の項目には掲載されていない可能性が高いですね。

 

 

さらに、カイジが注目していたのは店の佇まい。

入り口付近のいわば一等地に売られているキャンピングカーすら、

ともかく まともに商売する気がねぇのよ
 
そもそもの立地からして、此処は幹線道路から外れた枝の先。
傍にあるものと言えば畑くらい。見渡しても人っ子ひとりいません。
完全に中古車販売のセオリーからは逸れていますね。
 
 
ここで、偶に現れるカイジのメンタリズムが発動。
 
以上の事から、此処の社長が相手にしているのはキャンピングカーだけを求めて穴場まで来店する特別な男だけ。
 
その採算を度外視したスタンスからは、性格が浮き彫りとなります。
ボキャブラリー豊かに失礼を並べすぎ( ̄▽ ̄;)
これからお世話になるのに言い過ぎでしょw
 
しかし、カイジは店舗を見れば見るほどにその確信を深めます。
 
この僻地に近い場所で「地球のど真ん中」を名乗る時点で、まともな神経を持った人には出来かねること。
つまり社長の半生が日陰の人生であったことの裏返し・・・そんな背景が滲んできます。
 
今の3人には、そんな他者と繋がらないはぐれ者がうってつけ。
なぜなら、たった一人の説得で・・・
大手であればあるほど、人数が多ければ多いほど、カイジたちの怪しい隠蔽に加担する可能性は低い。
 
しかし、個人であれば崩しやすく漏れにくい。
それも歪んだ頑固者であるなら、日陰でもがき苦しんだのは3人も同じ。
共通の境遇を歩んできた者同士、シンパシーを抱くかもしれない。
 
カイジには話を通す自信があるようですね。
 
ただ・・・自分の選択を過信して、饒舌になった時のカイジは足を掬われやすい傾向にありますよね。
語った推理はもっともなものだとは思いますが、若干のフラグに見えてしまうよ( ゚∀゚; )
 
 

次週は休載ですが、新たなキーパーソンが登場するようですね。

チャンに協力した広島のおじさんやタクシーの運転手など、24億脱出編は脇役の厚意に支えられています。

 

次回で交渉する社長は、果たして3人に幸をもたらすのか。

あるいは同じ社長でも、例の社長のようにカイジの前に立ちふさがる存在なのか。

 

一難去ってまた一難、逃走はまたも勝負所を迎えましたね。

 

・週刊ヤングマガジン№39(2018/09/10号)より。

PS2天 プレイ開始・その他雑記

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来週はカイジが休載ターンのため、

小ネタも含めて雑記的更新です。

 

 

PSカイジ、PS2アカギ、PSアカギと順に攻略し、今回はPS2天をプレイします。

 

取り敢えず、私が攻略を予定していた作品は以上の4つなので、ひとまず今回のシリーズが最後の実況動画となります。

 

天はいわずもがな、福本先生が大きく飛躍するきっかけとなった出世作にして代表作。

作風の変遷も顕著に表れていますし、何よりも赤木しげるを語るには欠かせませんね。技術の未熟さを熱意でカバーしたいところ。

 

1パートは短めで20分前後、カットも少なめで毎日投稿の予定です。

9/26までに攻略が間に合うのか・・・スケジュールと雀力、両面で不安です汗

 

また、天については10月からはドラマが放送開始されますね。

 


・撮影は8/29にオールアップ済み。

 

予告動画も公開され、いよいよ間近に迫ってきました。

https://youtu.be/mkMkeJJYULA

 

素晴らしいスリーショット!

撮影を終え、お三方とも佇まいからそれぞれのキャラクターが滲み出ていますね。

 

期待値はもちろんストップ高状態。

個人的には、現在進行中とはいえトネガワとゼロの映像化についてはやや不完全燃焼感があるので・・・

前述のように福本作品の礎であり、聖典にも近い天については120点のクオリティを叩き出すことを願っています。

 

 

・先週のドラマゼロには福本先生がカメオ出演されていましたね。

 

小太郎役の手越さんを捕える黒服として登場!

 

さらに、零に完敗した小太郎がギャラについて請求書の宛て名を尋ねると・・・

サングラスを外して一言!

名乗っちゃったよw( ゚∀゚; )

原作ファンには大サービス、しかし他の方はポカンとした事でしょうね。

 

ある時は帝愛の黒服、数年後に地下堕ち、カイジによって地上へ解放。

その後はプロの代打ちとして市川と死闘を繰り広げていましたが、敗北。

その結果、今度は在全の下に就いていたとは・・・!

フィクション内での福本先生は激動の人生を歩んでいますね(;^ω^)

 

しかし相変わらず俳優さながらの渋カッコよさ。

神域の棒読みも健在でした。

 

確か・・・映画カイジ2での「肉、食べてよーし!」は、本番で台詞をど忘れしてしまい、咄嗟に出た言葉だったはず。

そのまま採用されたあたり、元の脚本を上回るセンスだったのでしょう。確かにインパクトがあり印象に残りましたから、皮肉ではなく流石ですよね。

 

そして零についてはドラマを期に、原作の第3部開始が早まると嬉しいな。

標の負傷理由、そして強力な後ろ盾を得た零の次なるステージ・・・見どころも疑問も残ったままですから、未完の可能性は考えたくありませんね。

 

 

・ついでに完全なる小ネタ。

ひと月ほど前、暇を持て余していた時に作成しました。

 

カイジいろは歌

 

本家いろは歌の47音+「ん」を1回ずつすべて用いて、

カイジに絡めた文章を作ってみました。

(本家同様、濁点と半濁点は許容というルールです)

 

かいじ むりと ゐうな!
ゆえに ふねへ のれゑ!
みらあで ほお きずつけ、
めもは ぴんぞろ やくだち、
ぬま をこわさせるよ。

 

色々と力技ですが、私にはこれが精いっぱいでした。


ではまた(。・ω・)ノ゙

ドラマ天 放送開始日・追加キャスト情報など

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10月3日(水)深夜1時35分より、毎週30分。
 
テレビ東京、BSテレ東、そして動画配信サービス「Paravi」にて放送開始が決定しました!
 
さらには追加キャストも判明。
参照用として、先に原作画のメンバー表を載せます。

 

まず地上げ屋麻雀編

渋い演技派俳優がズラリ・・・!

個人的には東軍加入レベルの実力と思っている、くせ者室田には相島さん。手の内を見透かされそうな怪しげな出で立ちが再現されていますね。

 

ちなみに丸尾という人物は初耳。

地上げ屋編の主要人物のうち、原作では氏名が明かされていないとなると・・・

恐らくこの方でしょう。

地上げ屋の社長。つまり序盤の大ボスに当たります。

ひろからはナマズと揶揄されていましたね。

この人の代打ちとして、室田や赤木が登場しました。

 

次に東西戦・西軍メンバー

頭の原田にはなんと的場浩司さん!(*'▽')

他を圧する抜き身の刃、そして鋭い眼光。

カリスマ的な統率力を持つ原田そのもの。

完全再現と言って差し支えないですね。

 

三井にはMONDO等でも確かな雀力を披露している金子昇さん。

三井といえば、原田の指示を無視し、西軍ではなく自分だけの生き残りを優先した挙げ句、天の飛龍地斬で沈められました。

 

それだけでも戦犯と言えますが、同時にそれまでノー放銃という完璧な闘牌を見せていた阿久津を巻き添いにしています。

 

私は阿久津ファンなので許せない存在。

イッケメーンかつ高雀力の金子さんが三井では、本来の意味で役不足なのでは・・・と思ってしまいました(;^ω^)

それだけ豪華な配役ですね。

 

僧我のでんでんさんも含めて皆さんが麻雀愛好家。

全員が裏プロ役ですから、牌捌きが不自然だと一気にリアリティが削がれる可能性もあります。

その意味でもベストなキャスティング。

 

そして東軍。

赤木役の吉田栄作さんに加えて、

なんと・・・ドラマアカギで仰木役を演じられた田中さんが、今回の天では銀次を担当します(゜д゜;)

 

傍観顔芸パニックおじさんから、沈着冷静な熟練技巧派雀士へ。

華麗なる雀力の向上ですね(^▽^;)

仰木とは真逆の渋い出で立ちも似合っています。

 

ほっしゃん。もなかなか癖の強い健にはピッタリ。はまり役の予感がします。

 

いずれも裏世界を匂わせる男臭い方が揃いましたね。

福本作品の空気を作るには、流行をあざとく狙った配役は不要。

飾り気のないキャストで満足です。

 

 
また、松本さんのツイートから、
1~4話が地上げ屋麻雀編
5~8話が東西戦準決勝、
9~12話が東西戦決勝という4話毎の3部構成と判明しました。
 
12話構成は1クールドラマの限界ですから、残念ながら赤木の通夜編は描かれないようですね。
今回のキャスト情報に鷲尾や金光の存在が確認できないのもその為でしょうか。
 
また、東西戦予選の情報もありませんから、同様に坂口や吉井、南郷、尾神といった西の予選敗退組も名前がありません。
個人的には寡黙かつ謎に包まれたオーラのあった尾神が大好きなので、登場がないのは残念だな(・・;)
続報によって追加されることを祈ります。
 
しかし天は長編ですから、30分ドラマでは大胆なカットは必要不可欠。
序盤をカットして予選を優先する選択もあったかもしれませんが、あくまで主役は天、そして赤木とひろ。
三人の師弟関係を描くことに注力すべきですから、地上げ屋編を導入とするのは正解だと思います。
 
 
ちなみに赤木役の吉田さんは天の岸谷さん、ひろの古川さんより先にクランクアップしています。
 
私はてっきり、原作同様にラストシーンを二人が赤木を回顧するシーンで閉じるためと思っていました。
しかし、どうやら単純に東西戦決勝で赤木が先に敗退するため、先に上がったという事らしいですね。
 
本放送では蛇足という判断であれば、
最近流行りのネット配信限定エピソードでもいいので、通夜編を追加してほしいな…。
 
放送開始までちょうど1ヶ月、今のうちに天を再読しておこう。
アカギも完結し、天の世界がスポットライトを浴びる機会は今後少ないでしょうから、受けとる態勢は万全にね…。

賭博堕天録カイジ 24億脱出編・第293話『店主』感想 ~それぞれの楽園~

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前回、カイジたちはレンタカーを囮として、新たな移動の足を探しました。
 
そこで白羽の矢が立ったのは、大々的にはレンタルを謳っていないキャンピングカーショップ。
辺鄙な場所でのマニアックな商売に、カイジははぐれ者としての同類の匂いを嗅ぎ取ったのでした。
 
上手く波長が合えば、この怪しい逃避行への協力を見逃してくれるかもしれません。
全てはこの有馬猛商店、店主・有馬猛を懐柔できるかに掛かっています。
 
敷地内を捜索すると、倉庫でその姿を発見。
何やら熱心に作業していました。

カイジは呼び掛けますが、なかなか店主は手を止めません。
再度声を掛けるものの、まさかのガン無視!(°д°;)
 

三度目でようやく振り返りましたが、声を荒げて露骨に不機嫌顔。

なんと・・・他には誰もいないにも関わらず、呼ばれているのが自分だとは思っていなかったようです(  ゚ ▽ ゚ ;)

 

しかも、今行っていた作業は売れるあてが無いための手慰みとのこと。

こちらとしては貴方が暇か多忙かは全くどうでもいいこと。
カイジの直感とはいえ、なるほど…ものの見事な偏屈者ですね。
またドエライキャラクターが現れてしまった(^-^;
 
しかも買う気もない奴の相手は勘弁と、一方的に冷やかしと決め付けられてしまいました。
 
チャンは到底話が通じそうにないと呆然としますが、3人は勿論もの珍しさだけで立ち寄ったわけではありません。
 
買うのではなく借りるつもりと話すと、遂に重い腰を上げました。
 
看板にも小さく表記されただけとあり、案内された貸し出し用のクルマは1台だけ。
とはいえ冷蔵庫、テレビ、台所完備で応接セットの室内は寝室兼用。
コンパクト且つ多機能な中々の仕様ですね。
逃走のほとぼりが冷め、帝愛の捜索が緩まるにはひと月程は掛かるだろうな。
チャンマリが安全に帰郷するためにも、少し期間は空けた方が良さそうです。
 
その間、潜伏場所を転々とするかもしれませんし、最終的には身軽となるために現金を宝石や不動産、土地の権利書等に変える必要があるはず。
 
23億円もの大金を一ヵ所で注ぎ込むのは不審ですから、リスクの分散の為にも離れた職種や場所を訪れたいところ。
目途は全く立っていない訳なので、迷走する可能性も考慮して長めに申告しておくべきですね。
 
 
しかし、ひと月半となれば料金は60万円。
カイジは金の心配は要らないことを告げますが、有馬さんは如何にも訳ありという雰囲気を察したのか・・・一抹の不安を覚えたようです。
 
チャンの免許証を確認すると、さらにはクレジットカードの提示を要求。
もちろん3人がカードなど所持しているはずもありませんが、それを聞いた途端、3人に帰るよう促しました。
 
なぜならカードを不所持の者には、持ち逃げされた場合に備えて保証金を置いてもらうのが取り決め。
それは購入するのと同じ金額であるため、レンタル代60万円にクルマ代90万円がプラスされます。
 
計150万円となれば、普通なら現金で持ち歩く金額ではありません。
有馬さんは半ば見捨てるように背を向けますが・・・
→ひとつお願いが
 
まさかの150万円に面食らわせる間もなく、カイジは一芝居打ちます。
 
それは・・・実はチャンには帝愛からの借金があるとして、問い合わせがあってもクルマを借りた件は黙っていて欲しいという要求でした。

 

なぜなら、この後すぐに話を通した親戚の家に寄る予定。
すでに返済の算段が付いているので、旅行を満喫するために水を入れられないための注文とのことです。
 
なるほど・・・流石に頭の回転が早い。
短時間で練った作り話にしては筋が通っています。

 

冷静に聞けばかなり苦しい持ちかけですが、有馬さんさえ味方に付ければレンタルした証拠は隠滅できます。
カイジは熱弁をふるいますが・・・
 
有馬さんは受け流すと、目を閉じて考え込みます。
 
この3人はカードの審査も通らない、サラ金から追われる身。
にも関わらず、なぜか150万円という大金を持っている・・・
脛に疵を持っているのは明白です。
 
そもそも、150あれば中古のキャンピングカーなら余裕で購入可能。
敢えてレンタカーに固執している以上、それなりの事情があるはず。
 
つまり名義変更ができない、住民票も印鑑証明も揃えることができない、あるいはしたくないのか・・・
 
つまり、
目指すは過去を干渉されることのない安息の地。

 

恐らくはこれまでの人生に見切りをつけ、仲間だけで蒸発することが目的であろうと確信しました。
 
カイジの場合は逃避の末の雲隠れというよりは、来たる歓喜までの一時的な潜伏。
しかしニュアンスとしては正解ですね。
 
見事な推理に至った裏には、自らの苦い記憶がありました。
だからこそ3人を自分と重ね、新たに幸せを掴むため、切羽詰まった挙げ句の決断と考えたわけです。
 
挫折、そして逃避の末・・・流れ着いた先は幸せに繋がっていたのだろうか。
しかし否定しては自分という人間を見失ってしまう。
 
そんな虚しさの裏返しと知りつつ、自らは現在地を「地球のど真ん中」と呼んだ。

 

前回でカイジの抱いた人間像は、そのまま的中していたようですね。
そしてカイジの言葉に依るところではないにせよ、シンパシーは通じました。
 
有馬さんはレンタルの隠蔽を受け入れると、立ち去りながら3人へ言葉を送りました。
 
見つかるといいな
その旅の最後に
何だよ・・・第一印象から打って変わって、文句なしにカッコいいじゃないですか。
これぞ漢気を見た。
 
自分が昔、救いを求めて彷徨った迷路の先は、永遠の袋小路。
少なくとも、自分にとっては人生の失敗といえる場所であった。
 
そして同じ境遇と信じた者が、同じ迷路へ突き進もうとしている。
そんな時、失敗に誘わず、願わず、純粋に成功を祈ることができる人間・・・そうそういませんよ。
 
一見して卑屈な性格にも思えましたが、その実は過去の誰よりも優しいおじさんなのかもしれない。
黒沢で例えるなら、こじれていないこじえもん。
 
今回は、まさかの感動回でした。
一話完結の読み切りとしても有りの内容に思えたな。
 

 

そしてカイジとしては、呆気に取られるほどすんなり事が運ぶこととなりましたね。
クルマの保証金も渡した訳ですから、このまま持ち去っても有馬さんは捜索に動きませんし、何よりも意図を汲んで下さっている。
 
広島のおじさん然り、タクシーの運転手、廃屋の隣人家族、そして今回の有馬さん。
出会った赤の他人、その全員が3人の怪しさや魂胆を察しながらも、壁とならずに逃走の流れを繋げています。
 
カイジという作品は人間の心の暗部にフォーカスしてきましたが、24億脱出編はその逆。奇跡的な明部の連続によって展開されています。
厚意に応えるためにも、3人は幸せを掴まなければならない。
 
次回の動向にも注目ですね。
 
 
・週刊ヤングマガジン№41号より。

1日外出録ハンチョウ、アニメ化決定

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軽く追記完了。

ちなみに、ヤンマガNo.42では↓の広告が有り、フラグは立っていました。

とはいえ、まさか10月9日という直近でのスタートは予想していませんでした。
 
なお、キャストは以下の通り。
チョーさん続投、そして川平さんも続投。
プラマイゼロなのか、どちらかに振れるのか。

 

沼川、石和役はカイジ2期から変更されています。

佐藤拓也さんについては、沼川の名前に合わせての起用なのかも?

 

 
ちなみに小田切の初登場は原作の7話目ですから、順番通り描くとなれば3,4回分は放送されることになります。

 

これはワンポイント起用に留まらず、まさかトネガワの2クール目を全て差し替える大ナタ采配なのか・・・
とも思いましたが、同じようにトネガワでのキャストが既に判明している西口、八乙女は未登場。
 
次回は第1回エスポワールが開催される内容なので、左遷からの新メンバー加入エピソードは別に描かれるはず。
ですからハンチョウの放送は一時的なものですね。
 
正直なところ、トネガワは当初の予想に反して空気アニメとなってしまっていますから、このタイミングでのハンチョウ投入は視聴者を引き戻す意味でも大きいな。
 
本心としてはハンチョウはハンチョウで本腰を入れてがっつりアニメ化してほしかった所ですが、衝撃のニュースでした。

 

映画カイジ3 制作確定

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はじめに…約2ヶ月間、全く予告せずに更新を放置してしまった事実をお詫びします。

犬も食わない理由ですが、何度目でしょう…私のメンタルの問題です。詳細は語る必要も需要もないので避けます。


しかし、その鬱な心に差し込んだ希望…

まだ公式発表はされていませんが、概要からも確定と言っていいでしょうね。
内容は堕天録ではなく、オリジナルゲームとの一文がありますね。

実はカイジ2のパンフレットには、佐藤監督による次回作への前向きなコメントとともに、
福本先生による「続編があるならオリジナルギャンブルをやりたい」との言葉が掲載されていました。
流石、有言実行という訳ですね。

17歩が麻雀、救出ゲームはカイジ不参加、ワン・ポーカーはチャンマリを仲間とするまでの流れが不可欠であることなど、シナリオ上の不都合が生じるという理由もあるでしょう。

しかし私としては、その辺りの事情が解消されたとしても、一本丸々をオリジナルエピソードとするのは大賛成。

結局のところ、過去二作の映画版における問題点、不満点は原作との比較によって浮き彫りになった部分が大きいですからね。

例を挙げればキリがありませんが、限定ジャンケンの簡略化によるゲーム性、心理面での深味の消失が顕著です。
しかし、実際問題として2時間程度で全てのカイジ的要素…つまり心理描写や間を演出するのは不可能ですし、単純に大衆映画としての画が持ちません。

とはいえ、そこにこそ原作の魅力が詰まっている。
緻密な心理の起伏やロジックによって「流れ」にも必然性、説得力を持たせるほど、構成が完成されています。それだけに、些細な変更点によってクオリティは瓦解してしまいます。

ですから身も蓋もない話をしてしまえば、カイジは絶望的なほど映画には不向きな作品です。

中途半端に原作をなぞっても、どこか縛られた画作りや展開になることは経験済み。

仮に極限まで近付けたとしても、漫画は漫画、映画は映画、やはり異なる媒体です。
漫画的に完璧な手法も、それが映画で通用するとは限らない。

それならば、映画的なカイジを一から作り出せばいい。

その為には原作再現という枷を取り払う必要があります。
結果的に出来上がったカイジは漫画的ではないかもしれませんが、それで全く問題がない。
何故ならそれが「映画カイジ」だから。
つまり漫画は漫画で100点のカイジ、映画は映画で100点のカイジ、二つのカイジは不可逆な関係…それで正解だと思います。


もちろん、原作再現の枷という要素は、何もマイナス面だけではありません。
映画性を追うあまりのキャラ崩壊、シナリオの矛盾などの暴走を制するためのプラスにも作用します。

オリジナルエピソードの采配を振るうには、そもそも三作目に着手する権利を得る必要がある。それは言うまでもなく過去二作の実績に依ります。
そして、その二作が「実績」と言える作品となったのは、原作再現の枷によって大外れを避けたから。

一作目から完全に映画的なカイジなら…どうなっていた事でしょう。大成功…かもしれません。
しかしジャンケンや橋、Eカードを避けた結果の大失敗…となれば、間違いなく黒歴史そのものです。

逆に完全に漫画的なカイジなら…たとえば限定ジャンケン一本のシナリオで、心理面まで丹念にしつこいまでに描いた作品だった場合、成功していたでしょうか。

結果はわかりませんが、仮に二作目へ続いたとして、これがVシネマなら問題ありません。しかしあくまで全国ロードショーと考えた場合、ニッチな内容に制作規模が縮小されると私は思います。

つまり、そこに元来のカイジが孕んでいるアングラ感は良くも悪くも残ったまま。
現在のように名前を出せば殆ど誰もが知っている、そんな市民権をカイジは得ていなかったかもしれません。
その中で突然の映画的なカイジが出来たとして…世間的に受け入れられる体勢が構築されているとは思えない。

よって原作再現の枷を適度に入れ込んだ過去二作は、どっち付かずの置きに行ったシナリオ…だとしても、少なくとも三作目の実現、オリジナルエピソードの成功という見地においては最善手だったと思います。


二作目には「姫と奴隷」というオリジナルがありましたが、見栄えのインパクト重視のまさに映画的なギャンブルでしたね。
それを差し引いてもゲーム性、心理戦要素が希薄すぎましたが、あれはあくまで沼の副産物。

シナリオの軸に据えるエピソードではありませんでしたから、意気込みがあったように福本先生も今回は更にゲーム性を煮詰めたギャンブルを考案していることでしょうね。

現在進行形の原作、24億脱出編がギャンブルを描いていないのは、つまり映画用のネタを優先していたため。
公開は2年後と、まだまだ語るには早いのですが、今から非常に楽しみです(^^)

※カイジ感想等について更新を再開します

賭博堕天録カイジ 24億脱出編・第294話『真中』感想 ~人生の中心を行け・・・!~

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それでは2か月半ぶりのカイジ感想です。
最新話は301話なので7話前ですか・・・我ながら酷いな。
もちろんヤンマガは買っていたので、来週中には追い付きたい所です。
 
前回は、カイジたちがキャンピングカーショップでレンタルに漕ぎつけた話でした。
店長の有馬さんは、3人の怪しげな思惑を察知しながらも、レンタルした事実を隠匿することも含めて承諾。
そこには自らの浮かばれない人生と重ねて、新たな旅路の成功を願う純粋な気持ちがありました。
 
配慮有る人々の厚意が無ければ、3人の逃走計画は既に破綻していた事でしょうね。
 
 
免許を持つチャンがレンタルの申請を行っている間、カイジは改めて今後の展望を想像していました。
 
現在手にした12億円は、数多の鉄火場を潜り抜けた証。
求めている安息の地、楽園に向けて、楽を実現するだけの金は得ました。
あとは園、その環境を手に入れるだけ。
 
しかし3人は同条件ではありません。
何故ならチャンマリは母国に帰ればそれを成すことが出来ますが、カイジが生きるのは日本。

現状のままでは大金を得ても、常に追われる身の生活は変わらない。
まさに呪いとも言うべき、金と帝愛に縛られた人生。
そこから脱却しない限りは本当の楽園は見つけられません。
 
しかし、その構図を根本から覆すには、とどのつまり帝愛そのものを叩き潰す必要があります。

 

黙示録ラストでのカイジの発言から、成否はどうあれカイジという作品のゴールはその勝負となるはず。
しかし現状では全くの絵空事。
少なくとも今のカイジ単独では、向こうから持ち掛けてでもこない限り同じ土俵に立つことも出来ないでしょう。
大勝負を終えて間もないこともあり、カイジ自身にもその意欲は見えません。
 
現実的に考えると、やはり暫くは日本から離れて身を隠すことになります。
カイジは勝ち金の大半を隠し、2,3億円を持って海外へ高飛びする事を決めました。
 
そうこうする間にチャンが契約完了。
有馬店長は警察からの問い合わせには正直に応じるつもりと明かしますが、3人としても職質に遭った場合を考えると、貸し出しの事実は明確に証明しなければなりません。
とにかく帝愛に足跡を隠したいだけですからね。
自分の人生の主役は、間違いなく自分自身。
 
若き日の有馬さんにも、人生のど真ん中を歩むために身を投げ打った経験がありました。
孤独な旅の相棒となったのが、このキャンピングカー。
 
飛び出した結果は後悔だったのかもしれません。
しかし、今ここに同じ目的を同じ手段で果たそうとするカイジの姿に、自分の出来る全てを託したくなったのでしょう。
自らの失敗を鑑みた上で、他者の同じ挑戦を僻みなく後押しできる人間。優しい、いや優しすぎるおじさんだ。
偏屈者と人徳者は両立可能であることを体現している。
 
ともかく無事に車をGET!
 
しかも半永久的に所持できるお墨付きまで頂いてしまった。
奇跡的な巡り合わせにシンパシーが通じたおかげですが、3人としては手こずった末に最高の移動手段を手に入れましたね。

 

いよいよ逃避行は新たなるステージへ。
渡る綱は細くとも、天は走破の味方をしているようです。
 
※週刊ヤングマガジン№42(2018/10/01号)より。
 
※前回更新にて取り上げました、カイジ3と思われる映画について・・・先日エキストラに応募した結果、28,29日分で当選しました。
恐らく一日中カイジの空間に浸れるまたとない機会ですから、一生の思い出となるだろうな。
 
なお・・・当然、内容には箝口令が敷かれるので、具体的なレポートは2年後の公開後ですかね。メモを残しておきます。

 

賭博堕天録カイジ 24億脱出編・第295話『枢要』感想 ~日本縦断預貯金の旅~

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明日のエキストラ参加のため、先ほど東京入りしました。
・・・特に語る事はありません(;'∀')
 
※アカギ36巻・ブラックカバー当選。
 
掉尾(ちょうび)=物事を立派に締めくくる事。
最終巻に相応しいサブタイトルとなりました。

無事、全巻ブラックカバーでコンプリート。
やはりアカギには伝統と格式のブラックカバーがしっくり来ますね。
 
ちなみに、何故か当初のデザインからは変更がありました。
36巻帯より。
モザイク加工されていますが、アカギのイラストが違いますね。
本来なら特に気にする点ではありませんが、一つの謎がありました。
 
と言うのも・・・
鷲巣のイラスト元は、同36巻収録の305話。(↓)

そして変更前のアカギも、当然と言うべきか同36巻収録の304話での一コマと思われます。

(近い構図のコマは多いので、確信は持てません)

しかし、変更後のイラスト元は17巻143話。
まだ鷲巣麻雀の6回戦が開局した話での一コマです。(↓)
何故・・・わざわざアカギだけを別巻のイラストに差し替えたのか。
 
最後まで謎の残る竹書房采配ですが、アカギの読み切り掲載の予定も立ち消えた今、これで当分は竹書房の名前を目にすることが無くなるのか
不平は言いつつ、この手のモヤモヤにツッコむ事も最後かと思うと・・・なぜか寂しかったり。やはり私は竹書房信者のようです。
 
 

 

以下カイジ感想です。
 
前回、カイジたちは隠密にキャンピングカーをレンタルすることに成功。
この逃避行における要、自由に使える移動手段を得ました。
 
3人は大田駅のコインロッカーに預けていた23億円を回収すると、この「地球のど真ん中号」に収納。
流石はキャンピングカー、ベッドの下や天井棚に押し込めば・・・
あれだけ置き場所に苦心していた23億円ですが、いとも容易く収まった。
 
常に大金が視界に入っている生活はメンタル的に参ってきそうですから、精神衛生面でもこの収納力は大きいかもしれない。
 
しかもキャンピングカーには、デフォルトとして窓ガラスにスモークフィルムが貼られています。
目立つことなく作戦会議や寝食を行うにも最高のスペースですね。
 
思えば・・・数日前までは無防備な廃屋で息を殺していたわけですから、比較にならないほどに環境の進歩を遂げました。
 
これにより、この逃避行も次のステージへ。
 
カイジは「ドヨバシカメラ」へ向かうと、携帯電話の充電器を調達。
充電器は坂崎家にもありますが、帝愛に張られている可能性を考慮したようです。
 
携帯電話か・・・確かに17歩でも使用していましたね。
(↓堕天録4巻・32話より)


一方のチャンマリは携帯電話を所持していない為、付近のショップで本体ごと購入。

外国人でも、外国人登録証明書と銀行口座があれば簡単に契約できるようです。

もっともチャンの場合、捏造書類の可能性が高いですけど(;^ω^)

 

これで例の広島遠征のような不測の事態が起ころうとも、3人は逐一連絡を取り合えます。

 

鉄骨渡りでの名言にもあるように、不確かであろうと通信は力。その存在が確認できるだけで心の拠り所となります。

 

3人は「地球のど真ん中」に戻ると、試しに電話を掛けてみることに。

謎の茶番が始まった・・・w

テンションが上がってるのは分かるけど、広島のおじさんは恩人でしょ・・・変なとか言いなさんなよ( ̄▽ ̄;)

久々の和やかムード( ^^)
直近の危機は去りましたからね、良い笑顔を見たな。
 
運命共同体という意味では坂崎・遠藤との結託が強かったですが、チャンマリとは年齢が近い事もあって気が置けない絆があります。
 
ところで携帯電話は軽トラを破棄しに行く前に揃えておくべきでしたが、今さら反省しても甲斐の無い話。
パニックを招いたとはいえ、結果的には無事に遂行できたので問題ないね。
 

・・・あれ、カイジは沼での勝利によって地上に出たとき、生活環境がリセットされてほぼ無一文の状態でした。

その半年後、同じように無一文の状態で坂崎家に居候させてもらっていた訳ですから・・・今カイジが持っている携帯電話は坂崎が与えた物ですよね。

今帝愛に坂崎家へ侵入されたなら、購入時の契約書類等を発見されてしまいそう。

 

1998年当時の技術ではどこまで可能か分かりませんが、手を尽くせば通話記録が割られて、位置情報も筒抜けとなってしまう恐れがあるのでは。

チャンマリと同じように新機種に契約し直すべきだったような気がする。金はあるわけですから、些細な不安も取り除きたかったな。

取りあえず杞憂に終わることを祈ります。

 

移動手段と連絡手段を得たことにより、あとは金を抱えて高飛びするのみとなりました。

しかし各々が向かう地は異なりますから、最後は別行動。

大金を札のまま、かさばるカバンに入れた状態で扱うのはリスクが大きいですね。

 

よって、次の目的は金の圧縮。

預金通帳に変えてしまえば一発ですが、幾ら何でも23億円を現金のまま持っていくのは不審感丸出しです。

各地の銀行を回り、少しずつ預金する事となりました。
安定の悠長な選択にも思えますが、今は身の安全を確保しているのでさほど問題無いか。
 
さらに、カイジは万全を期すために通帳を複数箇所の廃墟に隠すことを提案しました。
ハンコと別々に隠しておけば、仮にどちらかが見つかっても安全です。
 
という事は・・・海外にも口座を持つのは大手に限られるでしょうから、結局は何度か日本と居住国を往復することになるのか。
その度に廃墟に赴き、対応する銀行で引き出し、空港の荷物検査でバレない程度ずつを持ち帰ると。
 
なかなか面倒ですね・・・
それなら一度預金するのはいいとして、その後は限定ジャンケンの岡林戦法を流用。億を小さい貴金属に変えて持ち出し、現地で換金するのが手っ取り早い気がする。
何か私の気付いていない不都合があるのかな。
 

ただ・・・カイジは預金を通帳化することには、もう一つの利点があると気付いていました。

強力なリスク回避に働くBパターンとの事ですが・・・今回の中では詳細は明かされず。

 

しかし、その説明を聞いたチャンマリは驚愕とともに絶賛。

→とりあえず 行こう!
日本縦断預貯金の旅!
 
何だか所ジョージさんが言いそうな台詞ですね(;^_^A
新たなプランも決まり、楽園を目指す旅は今のところ順調。
取りあえずダーツの刺さった場所まで向かおうか。
 
※週刊ヤングマガジン№43(2018/10/08号)より。
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