前回、アカギは手本引きで大勝。
しかし・・・同行していた治と釣り場で語り合う間に、組の者たちに追い詰められてしまいました。
必ずしも勝ち金の回収に来たとは限らないだろう・・・と思っていましたが、
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ガチじゃないか・・・(°д°;)
アカギの勝ちは、もちろん正々堂々とした勝負の結果。
治はこのやり方は卑怯だと反抗しますが、今は正論の通ずる状況ではありません。
逃げようにも、眼下の海は険しい岩礁。
荒波の中を金を抱えて逃げるなど・・・流石のアカギでも不可能ですね。
しかも相手は5人。ドスに拳銃まで所持しています。
アカギも一時は辻斬りで名を馳せたとはいえ、分が悪すぎる。
この状況は死をもって金を奪われるか・・・それとも金を残して町を去るか。
二つに一つしかありません・・・
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この屈服は仕方ない・・・
丁半博打で運命を救われ、鷲巣麻雀の死闘をもくぐり抜けたアカギが、こんな場末の埠頭で幕を閉じていいはずがありませんね。
ただ、アカギにも博徒としての矜持があります。
魂をぶつけて、苦労して得た金をすんなり渡すのは間尺に合いません。
ちょっとだけ
嫌がらせをさせてもらうぜ
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ええええ!!!(((゜д゜;)))
なんてことを・・・!
もはやカバンは回収不可能・・・
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嫌がらせはいいけど・・・こんな暴挙、
組としてはいよいよアカギを無事に帰すわけにはいかなくなったでしょう。
しかし、アカギは激昂するヤクザを前にしても冷静でした。
なぜなら先の方法を取るとしても、恐らくその役目は下っ端の若い衆。
何の恨みも無い若者に不毛な痛手を負わすことは、アカギとしても望んではいません。
投げ入れたのは抵抗だったのか、それとも。
すぐさま回収法を教え始めました。
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しかし・・・この細い釣り糸では、無理に引き上げても札束の重みに耐えられず切れてしまいます。
それを防ぐ方法は一つ。
釣り糸に十分な太さのロープを括りつけ、強化する他にありません。
そして少しずつ手繰っていけば・・・
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2本同時に引き上げれば
カバンを回収できる
は~・・・なるほどね。
どこから発想を得ているのか・・・
零、特に喜十郎編で多用されていましたが、こういったギャンブル外での豆知識的な仕掛けによる駆け引きも、福本先生は得意ですね。
大金を手放す以上、このくらいの嫌がらせはいいだろう・・・と説明を終えたアカギ。
最後に明るくなってからの作業を勧めると、涼しげにその場を後にするのでした。
夜 ろくに見えもしないのに
「それ」をすると
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今度こそ 血まみれ潜水回収だ
凄いね・・・一方的にまくし立てて、ヤクザをこの場に縛り付けた。
金は失った・・・のかもしれませんが、無事に生還、そして立場逆転。
今追い込まれているのは、少なくとも夜明けまでは気を張り続けねばならない組の方ですからね・・・。
それでも、金を回収するには従うしかありません。
組員たちは呆気に取られ、苦虫を嚙み潰したような顔で二人の背を見送るばかり・・・。
・・・と!
思われましたが、
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あらら、そう一筋縄ではいきませんか。
ただ、ここでアカギを呼び止めたところで、反論したところで金は海中・・・
如何なる意図があるのか・・・と疑問ですが、
やはり今回の一連の内容は・・・トラップですよね。
絶対の確証はありませんが、アカギが得た金は海中のカバンではなく、クーラーボックスの中にあるとしか思えない。
まず前回・今回を通じてクーラーボックスの中身の描写がない。
そして前回、治がアカギの釣り上げたカワハギをボックスに入れようとした際、
何故か冷や汗を見せて戸惑ったような表情を浮かべていた事。
しかも結局、カワハギはリリースさせている。
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そして・・・そもそもアカギが釣りをしたいと言い出した事自体、唐突ですしこのままでは必然性が無い。
逃げ場がない状況を作り出したいなら組に留まらせるだけで十分なので、娯楽以外の意図があったと見るべきですよね。
前回・・・アカギは自らを盆暗と評し、今回のような強硬手段を招くと知りながらも勝ちを自制できないと話していました。
つまり普段から強硬手段を想定し、対策を講じていたと考えられます。
回収法を敢えてややこしくしたのも、他に気を向けさせない為。ロープの準備で時間を稼ぐ意味もありますね。
とはいえ迅速な対応でカバンを引き上げられてしまい、充分にこの場から離れるよりも前に中を改められてはそれまで。
必然的にクーラーボックスへ疑いの目が移りますから、そうさせないように日が昇ってから回収するように釘を刺した。
前回、治にビールとつまみを買いに行かせて後から駆け付けさせたのも、金の詰め替えや仕掛けを知られないようにする為。
治は表情に出やすいので、何かの拍子にボロが出ないとも限りませんからね・・・。
なまじカワハギを釣り上げてしまった為にボックスは覗かれてしまいましたが、あわよくばという保険としての意図はあったのでは。
もう、全ての描写が戦略に見える・・・というより、あからさま過ぎる位。
だからこそラストで組員の一人が疑いを持ち、呼び止めています。
単なる嫌がらせにしては手が込みすぎてますし、準備が良すぎる。
態度も口調も露骨っちゃ露骨ですからね・・・。
つまり、アカギはそこまでを計算しているのではないか・・・。
というより、この流れで金はクーラーボックスに移し替えていたので無事でした・・・という決着はアッサリし過ぎているような気がする。
ただ・・・勘付かれたとして、どう切り抜けるんだ。
肝心なのはその方法ですよね・・・。
もしも本当にクーラーボックスから金が出てきたとすると、当然組は舐められたと思い強硬手段を行使するでしょう。
幾らアカギの腕が立つとはいえ、敵は拳銃持ち。
そして仮に突破したとしても、相手はチキンランの中学生や玩具工場の先輩ではなくヤクザです。
因縁を残せば後々さらなる追手が襲いかかるはず・・・。
正面からの勝負は考えづらい。
となるとクーラーボックスにも金は無く、誰の目にも留まらないであろう場所に隠したか・・・信頼のおける人物に預けたか・・・。
しかしそうなると、クーラーボックスを開けた治の反応が不自然だった説明が付かないな。
言葉で言いくるめるのか、あるいはコンビニ編でのカイジが近いですが、クーラーボックスに札束が入っているかどうかについてのギャンブルを仕掛けるのか・・・?
ただそうなると、入っていれば組の勝ち、アカギの身も危険にさらされる・・・。
入っていなければアカギの勝ちですが、組の資金はアカギが奪いましたから、対価として受け取る物が無い。
金をどこかに隠していたとしても、やはり治の反応についての問題があります。
金が海中にあるなら、結局それは組に渡りますからアカギにメリットが無い。
むしろ何か裏があると思われて余計に怪しまれそう。
という事は逆か。
わざわざ仕掛けた以上は入っていない、どこかに隠したのだろうと読ませ、実は本当に入っていました・・・というパターンかな。
まんまカイジと同じですけど。
・・・あれ。そうか、その場合でも律義に組が付き合う義務はありませんし、そもそも強硬手段に来ていたわけですから、外したところで中に入っていると知れば力ずくで奪いに来るか・・・w
長々と書いておいて駄目だね・・・色々と。
ともかく、
アカギがこのトラップを仕掛けた意図は、決して金を失いたくないという単純な欲ではなく、博奕における勝利・そして敗北の事実が消える事・・・弥城組がギャンブルという構造そのものを汚そうとした事への抵抗であるはず。
生粋のギャンブラーゆえに、その筋だけは通したいのでしょう・・・。
つまり策を見抜かれても尚、ギャンブラーとしてのプライドを見せつける決着が求められます。
それは必ずしも金の確保を条件とはしないでしょうが・・・
・・・???
思い付かないな・・・。
ただ、至難であるからこそ、その切り抜け方にアカギの天才ぶりが発揮されるはず。
これは気になる・・・ひと月も待てない(;^_^A
そして連載終了まで残り3話。
とどのつまり、この手本引き編が意味するもの・・・
この騒動が真のラストエピソード、ラストシーンへどのように繋がっていき、その際でアカギはどのような境地に達するのか・・・
注目ですね。
・近代麻雀11/1・12/1号より
※単行本情報
ワン・ポーカー編15巻&トネガワ6巻・11/6
ワン・ポーカー編16巻・12/6
新黒沢12巻・12/27